大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

2013-01-01から1年間の記事一覧

リアル書店のアマゾンへの対抗策を考える

先日新宿の本屋を訪れて思ったこと。 紀伊国屋やブックファーストはポイントカードを発行しており、カードを登録するときに自宅住所を登録している。 したがって書店で決済するときに、そのカードを見せれば、2000円以上だったら無料(もしくは100円…

ボランティア組織に学ぶ「未来の会社」における動機付け

以前に大学ゼミで講演させていただいたときに、学生さんから 「就活先の会社の社長さんと、ボランティア活動と営利活動の違いについて話したんですけど、どう思いますか」 という質問を頂いた。 ドラッカーの「マネジメント」に、その答えを言っているキレの…

「最高の授業を世界の果てまで届けよう」とEラーニングの未来

久しぶりに本を読んで熱くなった。 読んだのは『「最高の授業」を世界の果てまで届けよう」という一冊。 「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう(2013/06/11)税所篤快商品詳細を見る 筆者である税所さんは、元々落ちこぼれの高校生だったのだが、「今で…

1/13開催:戦略実行マネジメント:経営と現場をつなぐ「仕組み」の作り方

来年1月13日に丸一日かけて戦略の実行に関する 1日セミナーを開催する事になりました! ライバルや市場の動向、自社の立ち位置など さまざまなフレームワークを使って客観的に考える「戦略」に比べ、 「戦略の実行」は、まだまだ成功した経営者の話など…

ピアプレッシャー(Peer Pressure)

周囲からのプレッシャーという意味を指す「ピアプレッシャー」。 うまく使うとモチベーションが上がりますし、失敗すると 一気にやる気がダウンします。 例えば、部下が上司の視線を背中に感じながらうまく仕事を やり遂げる事は、成長につながります。 さら…

自分を演じさせているドラマを意識する

ただいま組織マネジメント/組織心理を研究中ですが、その中で、気にかかっているのが「演じる」という話。 今回のメルマガではこのテーマについて、少し深く考えてみます。 一昨年出版した「プロフェッショナルを演じる仕事術」(PHP)では ”演じる” という…

日本郵便の「自爆営業」問題解決の糸口を探る

最近世間をにぎわせている郵便局員の「自爆営業」問題。 郵便配達員が、年賀はがきの販売ノルマを過剰にかけられ、売りさばき切れなかったハガキを自腹で買い取って金券ショップに転売。 実質的に、金銭的負担を強いられているという問題です。 ▼記事「年賀…

吉田兼好はイノベーター:「はかなし」というコンセプトが生まれた背景

溜まっていた書類整理のついでに以前に受講した 「イシス編集学校」 の資料を発見したのですが、その際に松岡正剛校長の「はかない」という言葉について解説記事を発見しました。 以前は読み流してしまっていた文章なのですが、よくよく考えてながら見てみる…

ベンチャー系家電が快調の理由

最近ベンチャー系の家電メーカーが快調なようです。 ベンチャー家電として代表的なものに、数年前に大ヒットした 自然風に近い風が出る扇風機「グリーンファン2」があります。 それに続けとばかり、ぞくぞくと面白い商品が出ています。 私が眼を付けている…

MOOC(大規模公開オンライン講座)で変わる教育の未来 (2013/10/25発行メルマガ)

今週10月23日(水)に、東大の福武ホール(赤門横)で開催された 「FLIT 第1回 公開研究会 MOOCと反転授業で変わる21世紀の教育」 に参加してきました。 FLITは「東京大学情報学環 反転学習社会連携講座」の英語名で、山内准教授の音頭で動きだし、 「反…

GUとクオリアとiPhone5cの違い

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■大人の学ぶ技術 2013/10/18■□ フローワン代表 若林計志 http://www.flow-one.com ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。 若林@フローワンです。一気に冬に向かって寒くなってきましたね。 風邪など引か…

「不確実性」を コントロールするのがマネジメントの役目

いろいろ考えていると、経営とは結局「不確実性(Uncertainty)」をどう捉え、それをいかにコントロール(許容)するかに帰結するのではないかと考えています。 起業家は不確実性を「チャンス」と捉え、管理者は「リスク」と考えます。 世の中に無限の選択肢が…

反転授業のさらにその先に見える未来の学習

MBAで習う「マネジメントコントロール」について、オンライン勉強会を実験的に開く事にしました。 過去に2回ほど、このテーマで出版した本の講演をさせていただいているのですが、地理的/時間的制約で参加できない方がいらっしゃったこと、また2−3時間の…

NHKでMOOCS紹介「あなたもハーバード大へ ~広がる無料オンライン講座~」(MOOCのビジネスモデル)

2013年9月17日(火)のNHK「クローズアップ現代」で、MOOCsの特集がありました。 ▼動画とスクリプトが公開されています http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3402_1.html 無料オンライン大学の動きについてはブログでも何回か書いていますが、今度…

【組織の法則】プロローグ:ハッピーな組織を作るための必須知識 グレイナーの5段階企業成長モデル

「部門間で対立している」「中間管理職が板挟みになっている」「優秀な人材が社内で腐っている」など、会社を巡る様々な現象について 「この問題って、どこの会社でも起こっているのでは」 と、ふと感じたことはないでしょうか。私たちは個人個人が好き勝手…

半沢直樹から学ぶ組織論(ピーターの法則を回避する方法)

ドラマ「半沢直樹」を毎週見ながら、どうして組織が成長と反比例してダメになってしまうのか、そしてどうやれば立て直せるかを考えています。 多くの組織では、成長の段階において、地位や利権を守るために一部の人々が利己的な動きをするようになり、必然的…

MOOCSとオンライン学習効果の認識について

MOOCs (Massive Open Online Course)について、面白い調査結果が発表されました。実際のオンライン指導した経験がある先生と、そうでない先生の間で、オンライン学習効果についての認識に大きなギャップがあるという調査結果ですが、これは当然と言えば当然…

有線放送の映像版にビジネスチャンスあり

お好み焼き屋の「ぼてじゅう」錦糸町店に行ったら、壁にスクリーンが埋め込んであり、火がチロチロと燃えている映像がずーっと表示されていました。 なかなか良い雰囲気を醸し出していたのですが、これを見てノルウェーの公共放送が、暖炉で火が燃えているだ…

メールになると凶暴化する人がいるのはなぜか?

メールになると急に攻撃的になったり、運転すると急に凶暴になったりする人がいますが、このような現象を証明する「ミルグラム実験」という有名な心理実験があります。 これを端的に言えば、多くの人は「対象(相手)」との心理的距離が遠いと、結構ひどい事…

「仕事中だけうつになる人たち」とマネジメントコントロール

2004年発刊の川上先生と小杉正太郎氏の共著です。川上先生には前職で大変お世話になり、著書はすべて読ませていただいているのですが、本書は特に心理学的にマネジメントにアプローチするヒントが満載です。 川上先生は、京都大学教育学部教育心理学科卒…

究極は「透明化」:教育にゲームを応用する(正しいEラーニングの作り方 その6)

人を熱中させるゲームの手法を他分野に応用することを「ゲーミフィケーション」と言います。 ゲーム=不真面目なもの(子どもの遊び) という認識はいまや一昔前のものになり、ゲームの手法を使って集客したり、顧客ロイヤリティを高めるなど、ビジネス分野…

魂が伝わる講義映像(正しいEラーニングの作り方 その5)

以前オーストラリア人の教授と話していた時の話です。 ある日本の大学のパンフレットを見せながら、その学校の特徴について説明していたのですが、オーストラリア人の教授が不思議そうな顔をしているのです。 何かと思って聞いてみると、こんな答えが返って…

学習コミュニティのマネジメント(正しいEラーニングの作り方 その4)

私たちが社会人になって 「これは人生で大切な事を学んだな」 「自分って成長したな」 と思うような学びの瞬間は、一体どんなときに起こっているでしょうか? 米クリエティブリーダーシップセンター(Center for Creative Leadership)の Michael M. Lombard…

MOOCSの単位認定と大学講義のフリーミアム化の流れ

MOOCS(無料のオンライン大学講義)の正式単位認定への動きは、予想よりずっと早いペースで動いている。個人的にはもう少し時間がかかるのなと思ったら、すでに5つの講座が正式に米大学の単位として認定されているのだそうだ。 この認定講座数が加速度的に…

3つの基本形(正しいEラーニングの作り方 その2)

Eラーニングには大きくいって下記の3つのタイプがあります。学習目的に応じて、これらのタイプをうまく使いこなす事が求められます。 (1)知識の習得を目的としたもの(従来の紙教材の延長線上にあるもの) (2)情報を整理するフレームワーク(思考の「…

宗教改革とグレイナーの組織発展論が似ているところ

以前に「大統領選とキリスト教」というコラムで、16世紀にヨーロッパで起こった宗教改革について書きました。 当時、宗教改革の中心人物であったルターは贖宥状(免罪符)批判を巡って、 「なんか最近の教会っておかしいよね。もう一度聖書に戻って、本当…

Eラーニング設計のそもそも論(正しいEラーニングの作り方 その1)

どこでもブロードバンドが使える環境、iPadやスマホなどのコンパクトなモバイルデバイスの登場、撮影機器の高性能化&低価格化などによって、年々Eラーニングを導入するハードルが下がっています。 その一方で、 「Eラーニングを導入したけど、社員のモチベ…

鎌倉幕府の成立が1192年ではなく1185年?

最近、鎌倉幕府の成立が、1192年(いいくに)ではなく、1185年(いいはこ)だという説が、バラエティ番組などで盛んに紹介されています。 スタジオゲストが、 「えー、そうなんですか。知らなかったなあ」 「目からウロコです」 みたいなコメントを…

東京チカラメシ包囲網と次の一手

「東京チカラメシ」の勢いにやや陰りが出てきたという記事を見ました。 「東京チカラめしへの逆風 出店ペース鈍化、大幅減益…御三家の包囲網でブームに陰り?」(Business Journal 2013/6/15 07:40) 同社のHPで財務状況を見てみると、今年度に入ってからや…

ニワトリ会議とマネジメントコントロール

ホンダイズムの原点であるHONDA創業者の本田宗一郎さんをモデルにした「ニワトリを殺すな」という本があります。この本に「ニワトリ会議」の話が出てきます。 ニワトリは群れの中に血を出しているニワトリがいると、みんなでよってたかってつついて殺してし…