大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

東京チカラメシ包囲網と次の一手

「東京チカラメシ」の勢いにやや陰りが出てきたという記事を見ました。

東京チカラめしへの逆風 出店ペース鈍化、大幅減益…御三家の包囲網でブームに陰り?」(Business Journal 2013/6/15 07:40)

同社のHPで財務状況を見てみると、今年度に入ってからやや苦戦しているように見えます。

http://www.sankofoods.com/ir/zaimu.html

確かに松屋吉野家も完全に焼き牛丼のマネ商品を出してきているので、差別化要因がなくなってきたのは確かです。戦略論的にだんだんとレッドオーシャンになってきたという事です。

東京チカラメシは、逆にノーマル牛丼を作って大手にケンカを売るようですが、これもレッドーシャン的な感じがします。というのは「すき屋」が安売り攻勢をかけている市場なので、利益を上げるのがかなり厳しいのではないかと思われるからです。ガッツリ系は「すた丼」がありますが、どちらかというとこちらの方は、イメージに合っているような気がします。

大衆向けの飲食業の差別化はかなり困難です。新参者の定石としては、大手が過去の資産にしばられて動けないのを利用して、顧客が本当に求めているものを提供する戦略があります。(たとえばライフネット生命やかつての松井証券のやり方がこれに当たります。)

ということで、ガッツリとは逆バリになりますが、最近の時代背景を考えて、米の代りに野菜とメインして低糖質を打ち出した「ヘルシー牛丼」というのはどうでしょうか。マネされる前に、「ヘルシー=東京チカラメシ」ブランドを確立すれば、それなりにいけるかも。