MBA流 大人の学ぶ力

MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題から何が学べるかを考察します。by 若林計志

オンライン実践コミュニティで競争力を加速する

「経営センサー」(東レ経営研究所 2018-4号)にコラム「オンライン実践コミュニティで競争力を加速する」をご掲載いただきました。嬉しい!

 

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内容的には、リアルの研修後に、習ったことの実践結果をシェアするオンラインコミュニティを提供することで、学習効果が飛躍的に高まる例を説明しています。

 

(冒頭)「短期のビジネス研修で圧倒的な成果を出すにはどうすればよいのだろうか。研修参加者の中には講師のちょっとした言葉に電撃的なショックを受け、人生が変わるような人もいるが、多くの場合、学習者は習ったことの大部分を忘れてしまうのが現実だ。

 

さらに学んだ内容が本質的(もしくはそれまでの考え方を否定する可能性があるもの)であればあるほど、抵抗感を持つ人が多くなる。抵抗感は精神的ストレスなので、できるだけ早く解消したいと思う。そこで「うちの業界は特殊だから、このビジネススキルは役に立たない」といった結論を早々に出してしまいがちになる。早く楽になりたいからだ。

 

ただ、これではいつまでたっても研修の費用対効果は限定的である。そこでこのような状況を一新するツールとしてオンライン実践コミュニティを活用する方法を紹介したい。」

 

経営センサー4月号 2018 No.201 | 刊行物・書籍 | 株式会社 東レ経営研究所

 
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作って見ないとわからない

アジャイルとか、リーンなどが一般語化してきたが、本質は「作ってみないと問題点はわからないので、その”作ってみる”というプロセスのサイクルを短くして、効率を上げようということ」だと理解している。

 

リーンは現在、ソフトウエア業界では「アジャイル開発」として広まっています。アジャイル開発とは、手戻りを最小限に抑えるために短いフィードバックサイクルで設計と開発、テストを素早く繰り返して進めていく開発の手法です。1度ソフトウエアを作ることで課題をあぶり出し、後工程に引きずらずに改善していきます。これにより、QCDの全てが高まるのです。

ウチでもWEBサービスを開発しているが、十分に準備をしたつもりではいたものの、やっぱりサービスをローンチしてみると、事前には想定していなかった問題がどんどん出てくる。

 

初期版がしょぼいサービスすぎると、ユーザーの期待値をもう一度あげるのは難しいが、いつまでも準備をしていても、サービスレベルが高まらない。

 

そして、どの時点から課金サービスにするかという見極めはもっと難しい。

 

理論は分かっているつもりだけど、やってみると手探りのところが多い。

 
 
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後発サービスが勝つ条件とは?

ここ数年考えているテーマに「後発サービスが、先行サービスに勝つにはどのような条件が必要か」がある。

 

通常は、市場に早くサービスや商品を投入した方が有利に働く場合が多い。Walkman などはその典型で、商品名自体が新しいカテゴリー(Blue Ocean)を作ったのはご存知の通り。

 

また、先行サービスや商品が斬新すぎてコケてしまった場合や、市場がその価値をちゃんと認知できない場合、時間をかけたり、その欠点を埋めてバージョンアップ版を市場に投入すれば、チャンスはある。

 

「ウォシュレット」などはその典型と言える。

 

では、先行サービスがそれなりに成功している場合は、後発はどう戦えば良いのか?下記のセブンイレブンの記事を見て、何が勝因だったかを考えている。

 

鈴木敏文元会長が、主にセブン-イレブンの店舗にATM(現金自動預払機)を設置するための銀行設立を構想すると、「銀行のATMも飽和状態にあるのに収益源がATMだけで成り立つはずがない」「素人が銀行を始めても必ず失敗する」……等々、猛反対され、容赦ない声が浴びせられました。

それでも、「コンビニの店舗にATMがあれば、顧客の利便性は飛躍的に高まる」という顧客起点のシンプルな理由から、前例のない、流通業による自前の銀行設立という困難に挑戦していきました。

 

成功要因の一つは、セブンイレブンという「店舗」を持っていたというアドバンテージだ。すでにお客さんを握っていたので、ATMはアドオンサービスにすぎない。

 

また消費者が声に出さないけれど、潜在的に持っていたニーズ(買い物ついでに、お金を出し入れをしたい)をちゃんとすくい取ったという点も大きいだろう。

 

だが、成功の要因を語るには、何かかがかけている気がする。3C分析では語れない何かが。

 

例えば、LINEを考えてみる。LINEの登場前にも、携帯電話会社のSMS(ショートメッセージ)は普通に存在していたし、使い勝手はイマイチだったが、違うキャリア間でもまあまあ使えるレベルだった。(いまでもキャリア間のSMSはしょぼいけど)もちろん、もっとスムーズにやり取りできたら最高だなあ、というニーズはあったとは思う。

 

しかし、LINEがそこに大量の投資をして、勝てる見込みはどこにあったのだろうか?経営陣や投資家は、リスクと可能性をどう見抜いたのだろうか?海外の同じような先行事例からいけると判断したのだろうか?キャリア本体が同様のサービスをぶつけてくるリスクをどう見積もったのか?(その可能性は低いと見たのだろうか?)

 

アマゾンもそうだ。アマゾン登場前には「Barns & Noble」という日本の紀伊国屋丸善に当たるような巨大書店があって、初期にはアマゾンに対抗してネットショップを立ち上げて、潰そうとした。しかしそうはならなかった。

 

ソフトバンクも、ドコモやAUなどのガリバーが存在する市場で、後発では絶対に勝てないと言われながらも、現在の成功を成し遂げたし、メルカリもあっという間にヤフオクを凌駕した。

 

もちろん逆のパターン(というより普通のパターン)もある。グルーポンのような新興サービスが日本市場に入ってきた時、リクルートが対抗サービスとして「ポンパレ」のようなサービスをぶつけ、返り討ちにした。むしろ、市場競争ではこのパターンの方が普通だが、どうして、そこからサバイブし、大きくリープするサービスが出てくるのか?どんな条件があるのか?

 

またコラムで考察の続きを書きたいと思います。

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投稿率アップの鍵はUIの改善(第一回オンライン読書会の学び)

新システムを使ったオンライン読書会のトライアル第一回が終わりました。忙しい中、ご協力いただいた参加者のみなさまには感謝感謝です。

 

結果的にいうと、ユーザビリティにまだまだ改善の余地があることがわかりました。

 

とくにUI(User Interface)は、ユーザーに継続的に使ってもらうリテンション率を上げるキモになります。

 

世の中には、Facebook, Twitter, LINE, またエンジニア向けにはSlack といったモンスター級のサービスがゴロゴロあります。そして、ユーザーは数百、数千億円かけてシステムを作り込んでいるそれらのジャイアントと無意識に比較するので、真っ向から勝負するとかなり厳しい戦いを強いられることになります。

 

図解すると下記のようになります。

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もう少し改善の余地がありそうな図ですが(!)、要は昔はユーザーの期待値が低かったので、少々しょぼいサービスでもそれなりに市場に受け入れられ、ノウハウを蓄積するなかで徐々にブラッシュアップできたものが、いまはそうはいかないということです。一ミリでも期待値に届かなければ、即不満になります。

 

同じ理由で、スマートスピーカーはまだまだしょぼい反応しかできなくても、GoogleAmazonもドンリグリの背比べなので受け入れられます。ただし相当な勢いで蓄積したデータをもとに機械学習させ、日々AIが賢くなっているため、5年後にベンチャーが”同じ土俵”でサービスを開発して先行者に挑もうとすると、彼らは遥か彼方に行っている状態になります。したがって、なかなかキャッチアップできません。

 

ではどうすれば良いか。

正面衝突(Head to Head Collision) を避けて、ブルーオーシャンを狙うというのが教科書的な答えです。FlowPADがターゲットしているカテゴリーはFacebookなどとはずれるものの、やっぱりオーバーラップするところは残ります。

 

で、自分でサービスを作って見て、ヒットしているウェブサービスを見てみると、本当によくできているなあーと思うのです。特にスマホユーザビリティに関しては、まだまだ改善の余地があることを認識しました。

 

いずれにしろ、モバイル系のコミュニケーションアプリは、移動中やランチなど、ちょっとした空き時間(数分間)に、いかにサクッと見られるか(+サクッと「いいね」を押したり、投稿できるか)がキモです。

 

ゴールデンウィーク前に、どんどんUIをパワーアップして、第2回のオンライン読書会開催を5月中旬に企画したいと思います。

 

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教えるのはAI? これからの社会人教育に起こるエドテック革命(Edtech Revolution)

「シンギュラリティ」や「xTech」といったワードが、一般用語として世の中にだんだんと浸透してきました。AIやブロックチェーンといったテクノロジーが、これからの社会をエクスポネンシャル(指数関数的)なスピードで変えていくことに、もはや疑いの余地はありません。

 

例えば、価値のボラティリティが激しい仮想通貨も、あと5年もすればすっかり社会に定着し、キャシュレス化が急激に加速するはずです。(それがビットコインになるかは不明ですが。)

 

実際、日本の現金決済比率は先進国の2倍(32%)であり、ATM維持費を含めた現金決済を支える社会インフラに2兆円ものコストがかかっています。

 

thepage.jp

 

この巨大市場をフィンテック企業が見逃すはずはなく、激しい競争を通じて市場はアービトラージされ、最適化されいく動きになるはずです。

 

また現在はシナリオベースのチャットボットが徐々に普及しはじめている段階ですが、2020年中には、コンピュータの集積度が人間の脳を超え、全く違和感なくAIと人間が会話するようになると多くの研究者が予想しています。

 

そうなれば大手コンビニをはじめ、標準化が可能なサービス業は急速に無人化されるはず。これがキャシュレス化の動きと連動し、わざわざ現金で払ったり、人間が「おもてなし」をする際には、エクストラチャージを払うようになるかもしれません。

 

現在でも電子マネー「スイカ」で払えば、切符がディスカウントされたり、自動販売機で安くドリンクが買えるようになっていますが、すべてのサービスでこれから同じことが起こるのです。

 

もちろん「教育」(学習)」の世界も、テクノロジーの進化と無縁ではありません。

 

教育×テクノロジーを「EdTech(エドテック)」と呼びますが、教育の世界も様々なテクノロジーと融合し、激しく進化していきます。

  

特に「教育」は人間の全ての活動の根底にあり、全ての業界、産業につながっているため、様々な業界で一見バラバラに進化したテクノロジーが、「教育」をキーーワードにあるタイミングで一気に融合し、革命的な進化を遂げる可能性があります。

 

そして、エドテックを中心に世の中が動く時代がくるかも知れません。なぜなら、経済活動・ビジネスは、広義に捉えれば、「教育」に他ならないからであり、それが差別化の源泉だからです。

 

例えば、新人教育は文字通り「教育」ですが、上司が現場で部下を指導すること、会議での振るまい方を覚えること、社内プレゼン資料を作ること、お客さんにニュースレター(メルマガ)を発行したり、メールを打つこと、顧客調査すること、商品を開発すること、製造すること、これらは全部教育です。

 

もっといえば、自社の製品やサービスをマーケティングし、認知を広げて世の中に普及させることも教育です。

 

ただしすべての教育がICTによって置き換わるわけではありません。

 

AT車があっても、MT(マニュアル)車に趣味として乗る人は一定数います。レベル3の自動運転の時代が来ても、自分で運転し続ける人は一定数残るでしょう。同じように、教育においても、AI, VR, MRなどで80%ぐらいがITCで置き換わっても、

 

「やっぱり生身の人間に教えてもらう方がいい」

 

 

という人は一定数残ります。

 

ただし、それはあくまで”趣味”の世界です。映画「マトリックス」のワンシーンのように、脳刺激を与えることで直接学習させるような仕組みが、初期段階では成功しているので、最終的には、教室でアナログ to アナログで学習する仕組みは無くなって行くのかも知れません。

 

jp.techcrunch.com

www.ted.com

 

大学も20−30年後には、VR上で”通学”するのが当たり前になるでしょうし、教えているのも、優秀な大学教授の知識と指導法を集積したAIかも知れません。そもそも学位という概念が曖昧になるので、”大学”ではなくなるかも知れません。

 

ただ、すでにTA(助手)のレベルでは、リアリティになりつつある話なので、そんなに遠い未来の話ではないのは確かです。

www.gizmodo.jp

 
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サービスの比較対象を設定する

キングコング西野さんが箱根駅伝について面白い議論を展開している。その主張の骨子は、箱根駅伝が面白くない理由は、視聴者が「ランナー」と「ランナーの前を走っている白バイ」のスピードを無意識に比較してしまうからというもの。

 

つまり、涼しい顔で白バイライダーがランナーを先導していると、視聴者は「マラソンってそんなにスピード速くないんじゃないの」と感じてしまうのだ。

 


ではどうすればよいか?西野さん曰く、白バイでなく、ママチャリで先導すれば良い。

 

電動自転車でも時速20キロで1時間も漕いでいられないから、ママチャリを必死で漕ぐ先導者の顔と、ランナーが比較されることで、どれだけ箱根駅伝が大変かがよく伝わるというのである。

 

さて、この主張には「比較」という重要なマーケティングメッセージが含まれている。

 

以前、ビジネス講義番組の動画販売のマーケティングを数年ほど担当したことがある。販売しているカリスマ先生の講義を実際にリアルで受けると、2日コースで50万円はかかるのだが、動画では、6時間分で39,800円。めちゃくちゃお得である。その上、

 

・何回もリピートして見られる

スマホでもPCでも見られる(時間も場所を制約しない)

 

など、リアルにはないメリットも多くある。ところが、ビジネス講義番組を動画で売るのは至難の技だった。なぜか?

 

講師に質問ができないからだろうか。答えはNOである。というのも、実験的に動画を買った人限定で、講師への質問を受け付けるシステムを作ったが、売り上げにはそれほどプラスにならなかったからである。(実際には、大勢が集まる研修で講師に質問をする人は100人のうちせいぜい10名ぐらいなので、参加するだけの人は、動画を見ているのとほとんど変わらない。)

 

同じオンライン学習プログラムでも、スカイプなどを活用したマンツーマンの家庭教師プログラムや英会話であれば、もう少し単価は高く設定できる。人件費がかかっている事をユーザーも知っているし、授業がカスタマイズされることに価値を認めているからだ。

 

では、どうすればビジネス講義番組を高く売ることができるのか?

 

そう考えると、ユーザーはコンテンツ自体よりも、大勢の中で受講している「雰囲気」にバリューを感じていることが分かる。つまり気分の高揚だ。

 

ライブ中継で見られるコンサートを、わざわざ高いお金を払って会場まで観に行くのは、雰囲気にお金を払っているからといえる。

 

ビジネスで言えば、東進ハイスクールなどは早くから、衛星中継や動画講義を提供している。うまかったのは生徒のスマホではなく、全国の各教室内のブースで見るのを基本とした点。これならばリアル授業を受けるのと比較されるので、ある程度高くても価格を正当化できる。(その上、動画であれば、1.4倍速で学習できるので、効率よく勉強できる!

 

私はかつて代ゼミ生@岡山だったが、当時、岡山港の生講義を受けるのと、東京のカリスマ講師の授業を衛星授業(サテライン)で受講するのでは、授業料は変わらなかったと思う。でも、人気講師の講座は常に行列待ちだった。

 

ところが、ここ数年大成功しているリクルートの「スタディサプリ」は月額980円という価格設定となっている。スマホ動画で映し出される先生の授業をリアルで受けたら、おそらく1万円以上はかかるのを考えると、10分の1の価格設定だ。

 

これぐらいの価格差であれば、ユーザーは十分な価値を認めてくれるのだろうと予想できる。(提供側としてはスケールメリットで利益を得るか、オプションを売って儲けることになる)

 

 

実際このようなルール・ブレイカーが登場すると業界全体の構造が一気に変わってしまう。

 

ではビジネス講義番組は何と比較されるのか?

 

答えは明らかで、地上波のビジネス番組である。NHKスペシャルや、BSドキュメンタリーなど、地上波でも番組を選んで見れば、かなりバリューの高い番組が「無料」で見られる。テクニカルにはNHKは受信料が必要だが、ユーザーは決してリアル研修とは比べてくれないのである。

 

またTEDでもYouTubeでも優良なコンテンツは掃いて捨てるほどあるので、よっぽど差別化しない限りは、無料コンテンツに勝てない。

 

さらに最近はハーバードやスタンフォードがMOOC(大学の大規模無料講義/Massive Open Online Courses)で、これでもかというほどハイクオリティな動画を大量供給しているのである。

 

Massive open online course - Wikipedia

 

では、ビジネス講義番組をどんな戦略で「有料」で売ればいいのか?

 

答えはポジショニングを変えることだ。

 

つまり、「講義動画自体を売るのではなく受講体験を売る」方にシフトすることで、比較対象を無料動画ではなく、大学の授業やビジネスセミナーの方に変えるのである。

 

MOOC(大学の大規模無料講義)でも、単位を取ろうと思うと有料課金となり、ディスカッッションコミュニティに参加したり、レポートの提出を求められる。そこから、学位取得の道が開けると思うからこそ、お金を払うのである。

 

それ以外には、360度ライブ中継や、AR、VR、MRなどの駆使して、デジタルで「雰囲気」を再現してしまう方法も考えられる。ただし技術的に考えて、これはあと数年は実現しないし、システム利用料も当初はかなり高いだろう。したがって最初はコンサートなど大規模イベントには使われるはずで、ビジネス学習プログラムなどに手軽に使える価格に落ちてくるのはだいぶ先だ。(と言っても5−6年だと思うが。)

 

したがって現実的には学習コミュニティを作って

 

「受講体験を売る」

 

方が商売になる。いずれにしろ重要なのは、消費者が何と比較してサービスを買うのかを見極め、自分がユーザーに比較対象にして欲しいライバルが満たしている「ニーズ」を発見することだ。

 

それを違った形で実現し、価格に対して圧倒的なバリューを提供できれば、競争に勝つことができるということになる。

 
 
 
 
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AIとロジカルシンキングの間(人間が後追いでロジックチェックする世界)

筑波大の落合陽一さんが「日本再興戦略」のビデオで面白い議論を展開しているので、それについて考えてみたい。そのポイントは下記である。

 

1)AI(Deep Learing)の進化が著しく、AlphaGoの例でも分かる通り、AIがどんなロジックで戦っているのか、すでに人間には理解できない状態になってきつつある(人間の理解を超えている。つまりプレシンギュラリティが起こりつつある)

 

2)人間のロジカルシンキングや情報処理能力には限界があり、いずれAIは、人間にとって理解できないが、結果的に正しい答えを提供するという「自然界」のような存在になる。このことから、落合氏はそれを「Digital Nature」と呼んでいる

 

3)AIが先に問題を解いてしまい、人間がそれを後付けで研究し、学術論文として発行するといった逆転現象が起こり始めている(Deep Learningにおいては、人間が理解したものをプログラミングしているのではない。AI自体が「教師データ」なしで学習している)ここまでくると、AIは自然科学と同じように研究の対象として捉えられる。

 

さて、ここまでくると下記のような未来が予測できる。

 

AI=神化:いずれAIは擬似的な神のような存在になるかもしれない。事実として下手に人間が判断するより安全に走る自動運転などが社会実装される日は近い。

 

すでに近い動きもある。言ってみれば、アニミズム(自然崇拝)と同じだ。

 

コストの劇的低下:現時点では、仮説もなくビッグデータを活用しようとすると、膨大なITインフラ投資がかかるだけで、何の成果が出ないという結果になりやすい。

 

その一方でGoogleAWSなどのクラウド系のITインフラ業者がどんどん投資コストを下げている。かつては数百〜数十億円規模の投資がかかっていたDeep Learing系のITインフラも、Google Cloud, AWSなどが、数百〜数千万円のレベルまで下げてきている。(お試しで使うなら無料というフリーミアムモデルも増えて来ている。)

 

これが遅かれ早かれ、数百〜数十万円のレベルまで下がってくることは確実なので、とにかくデータをシステムにぶち込んで、Deep Learningに解析させ、AIが人間に対して相関関係を提示する流れになってくるだろう(人間はそのロジック検証作業を後追いで行うだけ。)

 

こうなってくると、いよいよ「デジタル=自然」になってくるのである。

 


落合 陽一氏 「日本再興戦略」 を語る ①

 
 
 
 
 
 
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