大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

2019-01-01から1年間の記事一覧

二流は後ろから撃たれる

MBA

米海兵隊の教訓に 「二流は後ろから撃たれる」 という言葉あるそうだ。戦場では自分の命がかかっているから、人間のエゴが剥き出しになる。したがって、よほどしっかりした信頼関係を構築しない限り、 自分が助かりたい一心で、味方を背後から撃ったり、味方…

担がれるリーダーシップ

MBA

心屋仁之助(じん)さん×永松茂久さんの対談が面白かったのでメモ。 テーマはズバリ「リーダーシップ」。 だけどちょっと切り口が違う。じんさんの説明は感じ。 一人で頑張りすぎるリーダーには「リーダーというものは人を引っ張っていかなければならない」…

かんぽ生命のKPI設定ミスとマネジメントコントロール

MBA

「Result Control」におけるKPIの設定ミス(?)によって、Gamesmanship(数字だけを追うゲームが発生して暴走すること)が発生した典型的な事例だと思う。 現場の人は良心の呵責とノルマの間で苦悩しただろうと思う。KPIを「契約後の顧客満足度」等に設定し…

問題解決法の進化(「分解」だけのロジカルシンキングから「つながり(再構成)」のロジカルシンキングへ)

MBA

記事のPOINTS:① ものごとをバラバラに分解する手法は、問題解決法の一部に過ぎない。② 因果関係を無視して問題解決はできない。③ 「分析」と「つながり」をベースに、創造的な解決策を作る必要がある。 「ロジックツリー」「MECE」「Fact-Base」などの言葉…

人との感情的な対立をロジカルに解消する(痛い経験編)

半年ほど前、ある人にアメリカの某クラウドサービスが便利そうですよ、とウェブサイトを紹介しました。 そのサービスは一部無料でも使えるのですが、有料の使い放題サービスは月30ドルほど。日本で同等のサービスを利用すると、5−6倍の値段はするので、仮…

信念対立解明アプローチ、アンコンシャスバイアス、クラウド

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コンフリトマネジメント系の情報を収集をしているとき、「信念対立解明アプローチ」というワードを見つけました。 どこかで聞いたことがあるなと思っていたら、構造構成学の第一人者である西條剛央先生のオンラインコミュニティで出てきたワードだったので、…

守破離のステップで学ぶ:思考の体幹トレーニング

MBA

スキル=行動フレームワーク 考え方=思考フレームワーク 哲学=精神フレームワーク 分類して自分のレベルをアップする方法を考えると良い。 スポーツだと、 スキル=テクニック 哲学=体幹トレーニング とも言える。 「守破離のステップで精神のフレームワ…

自動運転であおり運転から身を守る

日産に搭載されるあおり運転への対策オプション。 9post.tv 自動車が走っている現在地から公道の制限速度や急ブレーキのレコードなどを同時取得し、煽られる方に問題がないこともAIで即時判断できるとなお良いと思う。 同時にバックカメラで後続車種のナンバ…

日本人はリーダーがお嫌い?(世界価値観調査)

MBA

オランダで始まり、ミシガン大学がリードしている「世界価値観調査(World Values Survey)」という世界レベルの学術調査がある。 これに面白い質問項目があって、 「リーダー(Authorityなので権力者でも良い)が、より尊敬される社会になることは良いと思い…

セミナーや講演会で「質問する力」(4つのチェックポイント)

私自身の講師経験や、社会人ビジネススクール(MBA)の運営を通じた講師と受講生のやり取りを思い出すと、筋の良い質問、価値のある質問には、ある程度の共通点があります。 下記にそのポイントをまとめてみました。 1)調べればわかる事以上の内容を聞く せっ…

仕事はゲーム化する時代

Amazonはなんでも早い。そして、このゲーミフィケーションのコンセプトは、何にでも応用できる。 www.gizmodo.jp ゲームを他人と競わせる為に使うのではなく、本人のモチベーションアップにつかうという視点もいいし、報酬が社内仮想通貨というのも面白い。 …

ライドシェアリングの急先鋒「電動キックボード」をUSで試してみる

アリゾナ州・フェニックスで、昨年ぐらいから話題となっている電動キックボード(キックスクーター)の「LIME」(正式にはLIME-S)を体験してきました。 日本でニュースを聞いた時は、違和感があり過ぎて、 「なんじゃこりゃ、アメリカはバブルだな」 と正直…

イノベーションを生み出す交渉術

イノベーションの重要性が叫ばれて久しい。あらゆる市場がレッドオーシャンに染まり、利益を出すのが難しくなっている市場で、新しいバリューを訴求して、ブルーオーシャンで戦いたい、という思いはどこでも同じだろう。 しかし(当たり前だが)企業の業績を…

学習者のレベルでゲーミフィケーションの強弱をコントロールする

ナムコやコーエーでゲーム開発を手掛けられ、ゲーミフィケーション研究者になった岸本好弘さんの実に味わい深いコラムです。 www.4gamer.net マネジメント教育の初期の段階ではゲーミフィケーションがめちゃくちゃ有効なのですがその限界も語っていらっしゃ…

アドバイスを聞ける相手は、自分が行きたい道を先に歩いている人だけ

当たり前ですが、アドバイスを求めるべき相手は、「自分が行きたい道を先に歩いている人」しかいません。 例えば、若かりし孫正義さんが、日本マクドナルドの藤田田さんにアドバイスを求めたのは、藤田さんが海外関係のビジネスに長けていたから意味があるの…

Corvoda(monaca)のユニバーサルリンク対応はどうなる?

現在リリース中のアプリに「Custom URLスキーム」(URLから直接アプリを起動できる機能)を組み込んでいるですが、数年前のAppleの方針変更で、「ユニバーサルリンク」なるものに移行していく動きです。 blog.branch.io それはそれでいいのですが、うちでア…

スリランカの同時爆破テロと紛争問題

昨日スリランカの8箇所で同時爆破テロが起こり、300人近くが亡くなった。2009年に内戦の終結以来、年率4−5%の成長率で、他の新興国にキャッチアップすべく頑張ってきた。 観光産業も伸びており、昨年は日本人が4万人も訪れているが、それらに水を差し…

社会的コストとメリットのバランス

高齢者の自動車事故も、原発過酷事故も本質は同じで「社会的コスト」と「メリット」の比較で世の中は動いていることを示している。高齢者を運転禁止にするコストよりも、少々の事故が起こっても(ベンサム的な功利主義から)メリットの方が大きいということ…

理由と目的で水掛け論を脱する(「ロンリのちから」より)

高校講座「ロンリのちから」が面白い。ネット動画で各回10分程度なので、ぜひお時間があるときに。 www.nhk.or.jp 第5回は、「水掛け論」から脱するためには、「主張」の背景にある「理由」に着目し、議論を深めることが大事というのがポイントでした。 …

論理包含とTOCブランチの矢印(→)の違い

TOC

論理学で「AならばB」を「A→B]と書く。これはテクニカルには「AがBを包含していますよ」ということを意味している。 ja.wikipedia.org 例えば 「これはみかんだ」→「これは果物だ」 といえば、「みかん」という言葉の中に、「果物」が含まれている。 有名な …

借金トラップ回避に成功したマハティールの交渉術

スリランカやフィリピンが、資金&インフラ建設援助の名目で中国の借金トラップにはまってしまい、塗炭の苦しみにあえいでいるケースを何度かご紹介しました。 もちろんトラップといっても、無理やり「押し貸し」した訳ではなく、インフラ整備を急ぎたい新興…

利益追求パラダイムの進化(「フォード前」と「フォード後」)

フォードの始めたベルトコンベアによる自動車の組み立て方式は、当時の大多数の人にとっては理解しがたかったそうだ。 なぜなら、当時の勝ちパターンは、 独占的な地位を得た後、生産を抑え、価格を上げること だったら。これに対し、フォードは逆に考えた。…

操作的思考とTOCクラウド

ロジカルシンキング(論理思考)と呼ばれるものは、下記の2つに大別される。 「具体的操作」 「形式的操作」 である。発達心理学者のピアジェは人間の思考成長は5段階で進むと提唱した。 1段階目:感覚運動期(0~2歳)2段階目:前操作期(2~7歳)3段階目:…

monacaアプリ GooglePlayConsoleで「インストール可能な端末のタイプが制限されました」のエラー

今週はずっと、monacaアプリのリリース関係で試行錯誤しています。 ja.monaca.io monacaはベースにCorvodaという開発フレームワークを利用しているのですが、そのバージョンが頻繁に変わります。そしてApp StoreもGoogle Playも仕様がアップデートするので、…

ネットでのライブ中継の選択肢

以前は、Youtubeでライブ(生中継)をするには、チャンネル登録数が***人以上、といった制約があり、結構ハードルが高かった。 結果として100名ぐらい向けのライブ中継(Webinar)を実施する際には、有料のZoom、Vimeo Liveを使ったり、仕事であれば「Adob…

苦労して仕事をしてきた人ほど陥る思考の罠:情熱とパワハラの間

私はかつてベンチャーに在籍していたが、当時社員が10名ぐらいだった職場では、毎日あちこちで問題が勃発し、それを力技で解決するといったことが日常茶飯事で行われていた。 当然ながら、私が責任者だった部門も同じような状態で、いろんなところで火を噴…

神様の女房の話

オフィスに置いてあった「致知」のバックナンバーを久々に読み、松下幸之助氏の妻だった、むめの夫人のエピソードを発見した。松下幸之助もすごいけど、奥さんもすごかったなんだなあと感心。 大正6年、幸之助さんが22歳の時に電燈会社を辞め、ソケット製造…

ECサイトの勝ち方

金持ち社長によれば、ECサイトの勝ち方には3つのパターンかある。 1)質で勝つ 2)種類(量)で勝つ 3)安さで勝つ ゾゾタウンは当初1の「質で勝つ」を標榜していたのだが、規模が拡大し、参加者が増えてきた時点で、2の「種類で勝つ」にスライドして…

天才たちに共通するもの

TBS「消えた天才」の1月3日放送は、 松井秀喜さん、松岡修造さんなどが、かつて絶対に勝てなかったライバルについて語る新春スペシャルだった。それを見ながら、 「天才になった人」と「天才になれなかった人」 を分けた共通点は何だったのだろうと考えた。…