ロジカルシンキング(論理思考)と呼ばれるものは、下記の2つに大別される。
「具体的操作」
「形式的操作」
である。発達心理学者のピアジェは人間の思考成長は5段階で進むと提唱した。
1段階目:感覚運動期(0~2歳)
2段階目:前操作期(2~7歳)
3段階目:具体的操作期(7~12歳)
4段階目:形式的操作期(12歳~成人まで)
ビジネスの世界でいう「ロジカルシンキング」は、ピアジェの3段階目と4段階目をぐちゃぐちゃにして使っていると説明するのは、心理学者&ビジネスコンサルタントの川上真史先生だ。
組織マネジメントで使われるのは主に「形式的操作」である。
問題をロジックツリーでMECEに分解していく作業は、どちらかといえば「具体的操作」に近い。なぜなら、論理の軸が一本だから。
しかし実行段階になると「顧客の立場」「営業の立場」「経理の立場」「上司の立場」「世界の状況」「時間軸」など、いろいろ考慮しなければならない「軸」が乱立し、お互いが矛盾することが多い。
つまり、あっちを立てれば、こっちが立たないという状況のなかで、(正解ではなく)最適解を見つけることが求められる。
これらの判断は右脳、センス、直感、勘、非線形思考など表現されることが多い。
では、相反する軸を整理し、最適解を見つける手助けになるフレームワークはないのだろうか。いろいろ探す中で、いまのところ実用面でもっとも優れていると思うのが、TOCfEというシステム思考系ツールの中で紹介されている「クラウド」。
あらためて、これが「具体的操作」のための思考ツールだと考えると「なるほど」という感じがする。詳しい説明はこちら。
川上先生の著書の中で、もっとも読みやすい入門書はこちら。