当たり前ですが、アドバイスを求めるべき相手は、「自分が行きたい道を先に歩いている人」しかいません。
例えば、若かりし孫正義さんが、日本マクドナルドの藤田田さんにアドバイスを求めたのは、藤田さんが海外関係のビジネスに長けていたから意味があるのであって、留学やビジネス経験のない学校の先生に「高校をやめて留学したいのですが」と相談しても、それほど有益なアドバイスはもらえなかったはず。
ましてや「将来、ビジネスで成功するために何を勉強すればいいですか」と相談しても、的確なアドバイスはできなかったはずです。
なぜなら、経験したことのない人に「やったらどうなるか」を聞いても結局はバーチャルな回答しかできないからです。
したがって留学したい人は、留学経験者にアドバイスを聞くべきだし、経営者になりたい人は経営者、アイドルになりたい人はアイドル、YouTuberになりたい人はYouTuber, 政治家になりたい人は政治家にアドバイスを聞くのがベスト。
また、どの世界でも”その道の成功者”と言われている人は、少数派です。
したがって大多数の普通の人にアドバイスを求めても、あまり意味がありません。そもそも「こうやったらうまく」というアドバイスができるなら、その人自身がその道を先に歩いているはずだからです。
さらに、人の生き方に正解はありません。したがって、どのアドバイスもそれなりに正しいのです。その道で成功しないのも正解だし、成功するのも正解です。
実際、少数の人しか成功しない道なのであれば、大多数の人が「やめたほうがいいよ」というのは、意地悪でもなんでもなく、極めて合理的なアドバイスなのです。
だからこそ、「アドバイスを聞くべき相手は、自分が行きたい道を先に歩いている人だけ」という原理原則というのは、いつの時代も不変です。
もちろん成功者の語る成功法則に普遍性(再現性)があるかわからなかったり、体系的でなかったり、エピソード自体がホントかウソが怪しいこともあるので、評論家や学者の俯瞰的な解説が役立つことも確かですが、メインはあくまでも、実践者本人の言葉です。
ちなみに経営者本は、自伝と評伝の両方を読むのがおすすめです。
過去に納税額日本一を何度も達成している斎藤一人さんの本も、ご自身が書いている本と、弟子の方々が書いている本を両方読むのがおすすめです。メディアに写真が出ないので何となくミステリアスな人ですが、弟子の方々がちゃんと成功しているのがいいですね。
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(余談)
アドバイスを直接もらえないなら「私淑する」という手もあります。
「し‐しゅく【私淑】 〘名〙 (「私」はひそか、「淑」はよしとする意)
敬慕する人に直接教えを受けることはできないが、ひそかに尊敬し、
模範として学ぶこと。 教えを受けたことはないが、尊敬する人を
ひそかに師と仰ぐこと。」
私の場合、中学・高校時代は当時大人気の国際ジャーリストだった落合信彦を「私淑」しました。
その結果、留学し、NGOでスリランカに駐在し、現在は経営コンサルや、教育システムの開発をしています国際ジャーリストにはならなかったのは、我ながら面白いなと思います。
最近メディアで大活躍の落合陽一さん(信彦氏の息子)は、私淑ではなく、直接薫陶を受けていますが、現在の職業はメディアアーティスト。
国際ジャーリストでも、作家でもありませんが、本を読むとなんとなくノビー(お父さんの愛称)っぽい雰囲気があります。
結局師匠を完コピでパクろうとしても、自分の個性と融合する過程でオリジナルが出来上がるということかもしれません。
何だか合体・進化するポケモンみたいですが、精神レベルでは本当にそうなっているのかも知れません。
そもそもパクろうとする過程で、自分との対話が必然的に生まれるので、心が動いたら行動に移すのがよいというのが結論です。
世のなか、面白いですね。