大人の学ぶ力

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題から何が学べるかを考察します

人との感情的な対立をロジカルに解消する(痛い経験編)

半年ほど前、ある人にアメリカの某クラウドサービスが便利そうですよ、とウェブサイトを紹介しました。

 

そのサービスは一部無料でも使えるのですが、有料の使い放題サービスは月30ドルほど。日本で同等のサービスを利用すると、5−6倍の値段はするので、仮にサービスの質が期待したほどでなくても許せる金額です。

 

数日後、その知り合いから「法人年間プラン(6万円)に登録してしまったようなので、返金手続きを代わりにやって欲しい」という連絡がありました。

 

「自分でやればいいのに」と思いつつ、親切心からID&PWを教えてもらって、キャンセル申請を代行することに。Confirmation mailも送られてきて一件落着と思いきや・・・

 

さて、数ヶ月後・・・

 

「クレジットカードから6万円が引き落とされた!」

 

というクレーム(?)連絡が。海外経験もある(当然英語もできるはずの)大人なので、

 

「まずは自分でウェブフォームから事実関係と現状を確認するリクエストをしたらどうですか?。英語のドラフトを直すのなら手伝いますよ」

 

とお伝えしたところ、2、3度も「代わりに申請してくれ」というリクエストがあり、その度に、上記のようにお答えしたところ、突然キレて、

 

「あなたが紹介したのは詐欺サイトだ」

「もし返金してもらえなかったら、責任を取って半額を肩代わりしろ」

 

という強硬な要求にいきなり豹変しました。主な理由は下記でした。

 

1)そもそのこのサービスを紹介したのはあなたである(だから責任とれ)

2)法人年間契約をしたのは、サイトの作りがわかりにくいのが悪い

3)このサイトは詐欺サイトだと、口コミサイトにあった

 

正直びっくりしましたが、ここは冷静に状況分析することに。

 

ロジカルに考えると、

 

根拠(「認識している現実」+「推量(仮定)」)→主張

 

という方程式があります。特に「認識している現実」+「推量(仮定)」は一般にメンタルモデルと言われ、自己防衛的に働くので、

 

認識している現実

→間違ったのはサイトの書き方が悪いか、間違うように誘導したから  /そもそもサイトが悪徳・詐欺サイト

 

推量(仮定)」

→詐欺サイトが私を騙した/紹介した人は、そのことについて責任を取るべき

 

主張

→紹介したお前が金を払え

 

という風になります。

 

また「主張」の先には「目的」があります。この場合、

 

「主張」・・・紹介したお前が金を払え(交渉しろ)

「目的」・・・お金が手元に戻ってくる

 

また裏の目的として、

 

「自分の失敗を隠したい」(英語コンプレックスを知られたくない) 

 

も考えられます。

 

さて、この手の問題(コンフリクト)を解決するには、2つの方法があります。

 

一つは、目的を達成するための代替手段を考えること。この場合、

相手(サイト)に返金してもらう」というのが正攻法です。

 

もう一つは主張の根拠であるメンタルモデルの中身を検証することです。

 

認識している現実

→間違ったのはサイトの書き方が悪いか、間違うように誘導したから  /そもそもサイトが悪徳・詐欺サイト

 

推量(仮定)」

→詐欺サイトが私を騙した/紹介した人は、そのことについて責任を取るべき

 

主張

→紹介したお前が金を払え

 

 そこで検証して見ました。

 

認識している現実」=サイトが分かりにくいかどうかは主観によりますが、私が見た限り、英語が苦手な人でも、シンプルに個人月額プランに申し込めるようになっており、法人プランに申し込む方がかえって難しいと思えました。また詐欺サイトであるという情報は、英語でも日本語でも見つけられず(本人に情報源を聞いてもお返事なし)むしろ、信頼できる、という情報のほうが多い状態。

 

「推量(仮定)」=ウェブサイトを紹介したことで、紹介した人がどれぐらい責任を負うのかは、疑問が残ります(気持ちはわかりますが。)さらに詐欺サイトかどうかが確証がありません。

 

ーー

さて「主張」を論破するために、相手の「根拠」をアタックする方法は、裁判やディベートなどではよく使われますが、個人間の対立の場合、(仮にこちらが正しいとしても)下手に行うと、さらに感情的対立を深めます。

 

そこで今回は、事実確認のために会社のカスタマーサポートに「友達が困っているのですけど」という形で、返金ポリシーについて聞いてみました。

 

するとすぐに返信が返ってきて、申し込み後にRefund申請された場合は、タイミングによって一旦カードにチャージされるが、翌月にはRefundされるはずだ」という連絡がありました。

 

ということで、(おそらく)一件落着となりました。

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さて、ここからは個人的学びです。

 

・何かを人に紹介する際は、自己責任が取れる人に限定すべき

・不用意に期待値を高めると、かえって不満に繋がる(今回はキャンセル代行)

・人はコンプレックスを刺激されると、理性的な判断ができなくなる

・自己防衛的になるあまり、背後から味方に矢を撃つこともある

 

人生、いろいろ勉強になりますね。

(何か見落としているポイントがあれば是非メッセージください!)