大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

2013-01-01から1年間の記事一覧

落第生の問題(経営理念と評価軸をアラインメント)

昔から良くある話ですが、日本の大学では落第生が多いと補助金がカットされるため、ダメな学生でも、パスさせるケースが結構あります。(*日本語が怪しい留学生も含む)。でも本来の主旨が「高度な資質を備えた人材の輩出」であるとするなら、「落第させな…

講義映像のフリーミアム化に勝つための学習体験ビジネス

大学や大学院の授業をネットで無料公開する動きが世界中で一気に加速してきました。 昔からMIT(マサチューセッツ工科大学)が授業やシラバスの一部を公開するOCW(Open Course Ware)があったり、最近ではTEDが有名になったりと、ネットで質の高い映像を無料…

書評 MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み

書評サイト「本シェルジュ」様に拙著「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」の書評を書いていただきました!ありがたいです。 http://www.bookconcierge.info/2013/02/971/ カリスマブロガーのイケダハヤト氏が、新刊の書評を書いてくださっています。 ht…

ビジネス書のマネジメントコントロール的分類

拙著「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」で、人と組織を動かす3つのコントロールについて解説していますが、これはそのままビジネス書の分類に当てはまります。 ◎「行動コントロール」的ビジネス書 →いわゆるノウハウ系の本。具体的に行動を変化させ…

体罰問題とマネジメントコントロール

先日の「朝まで生テレビ」のテーマが「体罰問題」だったので、久々に視聴。体罰をしてしまう背景や、解決法がディカッションされていましたが、現状のような状況になってしまう構造的な理由が、いろいろとディスカッションされていて大変有意義でした。 基本…

MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み

昨日、拙著「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」が発売されました。 どっぷりと現場のオペレーションに関わる中で直面した問題、その解決法を「マネジメントコントロール」という学問領域に見いだし、誰にでも分かりやすいようにまとめたものです。 こ…

アホは出口さんです、と社員が言える会社

ライフネット生命社長の出口氏のコラム(日経ビジネス「20代の社員に「アホは出口さんです」と言われました インターネットのコミュニケーション 出口治明編)」)が面白いのでご紹介します。 ある日、20代の若手社員が奇抜なイベント企画を持ってきたので…

やる気を阻害しないマネジメント

日経のイチローのインタビュー(下記)を見て思うのは、組織の使命とは、こういうモチベーションが高い人が、最高のパフォーマンスを発揮できる場(フィールド)を用意するとともに、それを邪魔するノイズを極力排除せねばならないということです。 人材育成…

ウチの社員って自分で考えないんだよね、を解消する方法

最近、連続して同じような話をお聞きしました。それは 「ウチの社員って自分で考えないんだよね」 「私の部下って、指示待ち人間ばかりで困ってしまう」 というものです。しかし、社員が考えない理由は本当に 「社員の”考える力”(やる気)がないから」 「指…

「演じること」とビジネスの関係

早大ビジネススクールの杉浦教授が<「演じる」と「働く」>ということの関係を示した「ライフロール」の考え方を紹介されていました。 ”キャリアを「クルマ」で考えるのと並ぶ、もうひとつの代表的な見方をご紹介します。それは「演劇」として捉える見方で…

商品のバラツキ感で価値を生み出すゴディバ

数年前から「工場見学」がブームですが、先日、高級チョコで世界的に有名な「GODIVA(ゴディバ」)の、工場特集をテレビで放映していました。それを見ながら「マネジメントコントロール」的な視点で考えた事のメモです。 ・ベルギーの本社工場で生産 ゴディ…

社会の「仕組み」を変えるという事

本日、ご縁があって知人が開催したナイジェリアのビジネスセミナーに行ってきました。 アフリカの20世紀は列強による搾取の歴史と言われます。オイルなどの採掘利権をむさぼる西欧列強に反旗を翻したアフリカの人々は、暗殺などによりことごとく失脚しまし…

女子柔道、体罰問題に見るマネジメントコントロールシステムの必要性

女子柔道を巡る問題は、園田代表監督の辞任で幕引きになるかと思われましたが、選手サイドから不満の声が上がっています。 「なぜ指導者の側に選手の声が届かなかったのか、選手、監督・コーチ、役員間でのコミュニケーションや信頼関係が決定的に崩壊してい…

女子柔道「体罰問題」解決法を、マネジメントコントロールで考える

1月31日、全日本柔道連盟は園田監督による女性代表選手らへのパワーハラスメントや暴力行為を認めて謝罪し、2月1日に同監督の進退伺を受理しました。 この問題を巡って、マスコミ沙汰になるまで選手らの訴えを真摯に受け取らなかった柔道連盟やオリンピ…

グーグルの20%ルール成功の条件(マネジメントコントロールの視点)

グーグル(google)には主にエンジニアを対象にして「業務時間の20%は自分の好きなプロジェクトに使っていい」という有名な”20%ルール”があります。 実際にこのルールから、GmailやGoogle News,YouTube for Goodなど多くのサービスが登場しており、グーグ…

マネジメントコントロール:依存心を生む行動コントロール(Action Control)の罠

組織を動かすための仕組みを考える「マネジメントコントロール」という研究分野があります。 この分野を簡単にいえば、人に働きかけて強引に何かをさせるのではなく、人々が目標に向かって自然に行動できる「仕掛け」を作る方法学です。 マネジメントコント…

抽象化と具体化の「概念化スキル」を鍛える

マイクロソフトジャパン元社長の成毛眞さんが「HONZ」というお勧め本を紹介するサービスを運営されている。(その延長線で面白い本 (岩波新書)」というまさに面白そうな新刊を出されています) その成毛さんの記事を見て面白いな、と思ったのは、 ”ビジネス…

問題解決思考:学校の週6日制は、学力向上につながるのか

文科省が公立学校の「週6日制」を検討しているようです。 脱ゆとりで、学力をアップさせる目的なのだそうですが、本当にこの政策が正しいのか疑問が残ります。 PISAテストでは、ある程度「勉強時間」と「学力」の相関性があることが分かっているようですが…

同調圧力から抜け出す

プロバスケットボール選手のマジック・ジョンソンの言葉をご紹介します。 同質性の高い人々の集団にいると、そこから抜け出すのに苦労します。それには、「本人自身」の問題と、「周り」の問題があります。大体の場合、そこから抜け出す際には、周りの人から…

ふるさと納税

どうも各方面の圧力があるらしく、なかなか盛り上がらない「ふるさと納税」制度。 私は岡山県に納税していますが、「県」ではなく、市町村にふるさと納税すると、特産品がもらえたり、地方の美術館の割引チケットがもらえたりと、結構お得な場合が多くありま…

前提を疑う事からイノベーションが生まれる

2011年の年末に「プロフェッショナルを演じる仕事術」(PHP)を上梓してから1年と少し。 この本は、私自身がいろいろな人から教えてもらった「学び方の方法」を、多くの人とシェアしたいという思いから執筆しました。 この本を貫いているテーマは 「…