大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

商品のバラツキ感で価値を生み出すゴディバ

数年前から「工場見学」がブームですが、先日、高級チョコで世界的に有名な「GODIVAゴディバ」)の、工場特集をテレビで放映していました。それを見ながら「マネジメントコントロール」的な視点で考えた事のメモです。

・ベルギーの本社工場で生産

ゴディバは、品質管理のために、ほぼすべての商品をブリュッセルの本社工場で作っています。日本で売っている商品も、基本的にはベルギーから空輸したものです。よく外食チェーン店が、セントラルキッチンで食材を加工して各店舗に配送している例がありますが、それと理由は同じです。味や質にバラツキをださないために「行動コントロール」が効きやすい1カ所での製造体制にしているのです。(一部の商品を除く)

・わざと機械化しないパートを作る

最も大きなポイントだと思ったのは、意図的にすべてのプロセスを機械化していないところです。例えば、チョコを丸めたり、カラメルのトッピングを作るパートは、わざと人が行っています。当然それだけ人件費はかかるし、クオリティにバラツキが出るのですが、その不揃いさによって商品に”手作り感”を付け加え、商品価値を上げているのだそうです。

最初は、どうしても機械化できない職人芸のパートを人がやっていたそうですが、逆にそれが価値なのだと後で気づいてわざと残した形です。

通常、スーパーで売られているチョコは、どれを買っても全く均一なクオリティが求められ、それこそが「信頼性」という価値の源泉にになっているのですが、それとは対局のやり方で、何倍もの価値を出しているところが面白いなあ、と思った次第です。

「行動コントロール」の絶妙な使い分け・・このやり方って、他にもどんどん応用できそうです。

▼マネジメントコントロールとは

http://www.flow-one.com/php.html