大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

やる気を阻害しないマネジメント

日経のイチローのインタビュー(下記)を見て思うのは、組織の使命とは、こういうモチベーションが高い人が、最高のパフォーマンスを発揮できる場(フィールド)を用意するとともに、それを邪魔するノイズを極力排除せねばならないということです。

人材育成的に言えば「育てるのではなく、育つ環境を用意する」ということ。

「僕はずっとエネルギーを注いできたものに携わっている。最も大変なことは自分が好きでもないことをやらされて、それを好きになれと言われ、結果を求められることではないか。それで壁を感じているならばすばらしい。壁が出てきたということはそこに全力で向かっていく気持ちが存在し、さらに労力を費やしてきた証しだと思う」(イチロー、40歳にして惑わず ヤンキースでの決意

プロフェッショナルの世界は「結果」がすべてです。マネジメントコントロール的に言えは「結果コントロール」でで動いている世界であり、結果が悪ければ即刻退場となります。ビジネスの世界でも「結果コントロール」的な要素はありますが、一部の金融機関でもない限り、極端な”退場”はありません。またイチローのような人材は多数派ではありません。どちらかといえば「2:8の法則」で、2のほうに当たります。

従って「8」の方にフォーカスしたマネジメントコントロールを使うと、ほぼ確実に失敗してしまいますのでご注意を。