大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

社会の「仕組み」を変えるという事

本日、ご縁があって知人が開催したナイジェリアのビジネスセミナーに行ってきました。

アフリカの20世紀は列強による搾取の歴史と言われます。オイルなどの採掘利権をむさぼる西欧列強に反旗を翻したアフリカの人々は、暗殺などによりことごとく失脚しました。そして、その影には常に石油メージャーなどが暗躍していたといわれています。

言ってみれば、自分たちの利権を守るために、アフリカ各国が力を持つ「仕組み」を妨害していたということです。

私はNGO時代に地域紛争解決の仕事に関わっていました。NGOの仕事には「緊急支援」「食料援助」「学校建設」などいろいろなタイプがあるのですが、私が最も興味を持ったのが、紛争を起こすメカニズム自体をどうにか解消できないかというものでした。(もちろんすべての活動が大切だという事は間違いありません)

せっかく日本がODAで橋や病院を作っても、その地域で紛争が起これば、たちまちそれらは破壊されて元の木阿弥だからです。だからこそ、紛争自体の発生メカニズムにメスを入れる「予防外交(紛争予防)」に心引かれるものがあったのです。

その後、活動の軸足をビジネスに移しましたが、コロンビア大学大学院のフィッシャー教授から認定を受けて講師となった「協調的交渉術」は紛争解決(Conflict Management/Problem Solving)の方法論であり、そのゴールは、一見対立するニーズを持つ人々の間に、相互協調するための「仕組み」を構築することだと気づきました。

また、10年以上もかかわった社会人向けEラーニング(人材育成)の仕事も、まさに社会を変える新しい「仕組み」づくりだったんだよな、と思います。

私は「空気」で動く予定調和の世界だけではダメで、新しい価値を生み出すためには「コンフリクト(対立)」も時には必要だと考えています。要は両者のバランスの問題なのですが、これが実際には結構難しい。それで「紛争解決」「組織心理」などに興味を持つようになったところがあります。

そう考えてみると、結構一貫したテーマを持っていたんだと改めて思います。世の中学ぶコトだらけです。

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