大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

手段が先か、目的が先か? エフェクチュエーションとコーゼーション

経営学界隈で、ここ数年「エフェクチュエーション」という言葉をよく聞くようになりました(初出はもっと古いのですが)。

 

「手段」と「目的」の関係でいうと、エフェクチュエーションが主張するのは「優れた起業家は「手段」からスタートする」という逆転の発想の理論化といえます。(目的から手段を考えるのが「コーゼーション」)


この理論を提唱したのはサラス・サラスバシー教授(バージニア大学)だが、この本の邦訳版の帯を書いているのが、ポーターの対極にいるResource Based View のバーニー教授だから「なるほどな」という感じです。・・・といいつつ私はまだ原著を読んでいないのですが・・!

 

目的か手段かいう議論は、ウォーターフォールか、アジャイル開発といったコンテクストでもよく出てくる古くて新しい議論です。

結論的には、どっちがいいという話でなく、場合分けや、コンビネーションという話になりそうですが、手段好きの私としては、ちょっと深掘りしてみたい理論です。

 

(引用)エフェクチュエーションの対極にある考え方として、イノベーション分野における従来の考え方である「コーゼーション」という思考プロセスがある。コーゼーションでは、まず求める「目的(結果)」からスタートし、「これを達成するには何をすればいいか」を考え、特定の結果を生み出すための手段を選ぶ。未来は不確定なものであるが、できるだけ予測して進めていく。これまでの経営学はこのコーゼーションを主軸に進められてきたため、読者の方にも理解しやすいだろう。
一方のエフェクチュエーションはアプローチ方法が異なる。まず「手段」からスタートし、「これらの手段を使って何ができるか」を問い、可能な限りの結果をデザインしていく。未来は不確定なものだからこそ、自ら影響を与えて変えていこうとする。

 

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