大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

因縁果報とシステム思考、そしてエフェクチュエーション

仏教用語に「因縁果報(いんねんかほう)」という言葉があります。

 

因果応報という似たような言葉もありますが、「因縁果報(いんねんかほう)」には「縁」という漢字が入っているのが特徴です。

意味は、「物事には、原があり、それによって結が起こる。そして、それはにより左右される」ということです。

 

「縁」を現代風にいうと、「条件(コンディション)」ということになります。

同じアクション(原因)をとっても、結果が全く変わることがよくあります。

 

例えば、安く物を売っても、

・よく売れる場合

・そうでない場合

の2つがあるのは「物価」という条件が180度異なるから。

 

ということは、何かのアクションをとって思うような結果が出ないなら、

 

1)「条件」(縁)を読み違えたか

2)アクション(行い)が間違っているか

 

のどちらかになります。もともと仏教は「因果」(Cause-Effect)をベースにしている思考体型ですが、こう見ると本当にロジカルですね。

 

もっと言えば、この原因、結果、縁を総称して「業」と表現し、その業がさらに次の因果に影響することで、輪廻(りんね)思想につながっていく。

 

ここ最近、経営学では、手段からスタートする「Effectuation(エフェクチュエーション)」が注目されていますが、これも行為が影響(Effect)することに注目した考え方なので、仏教的にかなり近いところにある発想だと言えそうです。