仏教用語に「因縁果報(いんねんかほう)」という言葉があります。
因果応報という似たような言葉もありますが、「因縁果報(いんねんかほう)」には「縁」という漢字が入っているのが特徴です。
意味は、「物事には、原因があり、それによって結果が起こる。そして、それは縁により左右される」ということです。
「縁」を現代風にいうと、「条件(コンディション)」ということになります。
同じアクション(原因)をとっても、結果が全く変わることがよくあります。
例えば、安く物を売っても、
・よく売れる場合
・そうでない場合
の2つがあるのは「物価」という条件が180度異なるから。
ということは、何かのアクションをとって思うような結果が出ないなら、
1)「条件」(縁)を読み違えたか
2)アクション(行い)が間違っているか
のどちらかになります。もともと仏教は「因果」(Cause-Effect)をベースにしている思考体型ですが、こう見ると本当にロジカルですね。
もっと言えば、この原因、結果、縁を総称して「業」と表現し、その業がさらに次の因果に影響することで、輪廻(りんね)思想につながっていく。
ここ最近、経営学では、手段からスタートする「Effectuation(エフェクチュエーション)」が注目されていますが、これも行為が影響(Effect)することに注目した考え方なので、仏教的にかなり近いところにある発想だと言えそうです。