大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

グローバルに飛び出す第一歩は「自己紹介」(無料で台本を作成する3ステップ)

曲がりなりにも、グローバルビジネスやグローバル教育に長年関わってきて、どうすれば簡単に最初の第一歩を踏み出せるかなと考えた時、

 

英語の自己紹介

 

というのは割と有効な一手かなと思います。

 

うまく英語で自己紹介でき、相手がこちらに興味さえ持ってくれれば、そんなにうまくない英語でも、その後のコミュニケーションは結構うまくいったりします。

 

これを痛感したのが、5−6年前に、知り合いの会社経由で日本企業のシリコンバレー視察ツアーのアテンドをした時のことです。会社の経費でやってきた10名程度のパーティーが、現地のITスタートアップ数社を訪問するのですが、(当たり前ですが)まず訪問時に、先方もこちらも各2-3分で簡単な自己紹介をします。

 

ところが・・・元々英語が得意な数人の参加者を除いて、日本人視察チームの誰一人、まともな自己紹介ができないのです。「自分が**の担当して、どこそこの会社で働いていて、今回の視察の目的は何です。御社の**に興味があります」という説明がほとんどできない。というかまったく用意してきていない。ひどい場合は、相手の会社は何をしている会社なのかもよくわかっていない。(ホームページを見ればわかるのに)まさに、会社の経費で”観光ツアー”に来ているのです。

 

先方も忙しい時間をとって視察を受けれてくれているのは、日本企業とパートナーシップを組んでビジネス展開できるとか、出資を受けられるチャンスがあるとか、そういう意図があるのですが、全く話にならないレベルなのです。

 

結局、視察の後に、訪問したいくつかの先方の担当者からやんわりと「メリットがないから来年はお断りする」という連絡が来た時には、そうだろうなあという感じでした。(ちなみに韓国や中国の同じような視察メンバーはアグレッシブで、視察後にパートナーシップ契約をしたとか、そういう話が結構あり、視察受け入れは継続。)

 

その後、もう一度「シリコンバレー視察ツアーを手伝ってくれ」という話があったので、その際は同じ轍を踏まないように、任意ですが一人2−3分で英語で自己紹介ができるコンサル(台本作り+音声吹き込みmp3を提供)を提供し、しっかり準備してきた上で参加するようにお願いしました。

 

それでも申し込んだのは10名の内4名でしたが、準備してきたメンバーのパフォーマンスは明らかに違いました。込み込みで60万円ぐらいかかる視察ツアーのコスパが高まったのはいうまでもありません。

 

結局、英語が苦手でも、自己紹介で相手に自分のバリューをうまくアピールできれば、後はなんとかなります。(もちろん、まったく話せないと厳しいですが、中高で6年も英語習っていれば、最悪筆談でもなんとかなりますし、その後のメールのやり取りなら翻訳アプリもあるので、もっと容易です。)

 

それはこんな事例で考えてみるとわかりやすいかもしれません。

自社がスリランカで教育ビジネスをしたいと思っていた時、たまたまスリランカ人とビジネスセミナーで出会ったとします。その人は、英語がほとんど通じず、相手の片言の日本語でしかコミュケーションが取れないのですが、よく聞いてみると、スリランカで15拠点ほどの進学塾を展開している経営者だと分かったとします。さて、あなたはどうするでしょう?きっと「日本語が流暢じゃないからもう聞かない」とは思わないはずで、一生懸命日本語でコミュニケーションしようとするはず。つまり、欲しい情報を相手が持っていたとわかれば、最初のハードルは突破できるのです。

 

さて、その英語で相手にアピールする自己紹介の作り方ですが、具体的ステップは3つです。

 

  1)日本語で原稿を作る(仲間にしたい相手にアピールする内容)

  2)英語に翻訳する

  3)読み上げ機能を使って真似する

 

以下、順番に見ていきましょう。

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  1)日本語で原稿を作る(仲間にしたい相手にアピールするもの)

最初にまず「日本語で原稿を作る」ことから始めます。目安は2−3分でしゃべれる程度。英語での自己紹介の作り方は、良書が何冊も出ているので、気に入ったものを読んでみるのがお勧めですが、下記は汎用的な構成例です。

 

*冒頭部分:自分が「何屋」なのか(例:私はミドリムシの研究者)

*ボディ:過去→現在→未来

(例:大学でミドリムシの凄さを知ったが培養に課題があることを知った。その培養に成功し、現在ビジネスを展開している。将来はバイオ燃料などにも転用し、世界のエネルギー問題に貢献したい)

*締め部分:次のアクション(例:今度メール交換させてください)

 

  2)英語に翻訳する

1で作った原稿を「DeepL」で翻訳します。ちょっと変な文になることもありますが、おおむねいい感じの翻訳が出てくるはず。心配なら英語が得意な人に微調整してもらいましょう。

 

3)読み上げ機能を使って真似する

DeepLの下部にスピーカーマークで読み上げ機能があります。

speaker

これでも十分使えますが、おすすめなのは「音読さん」。DeepLで翻訳した文章をコピペして読んでもらいましょう。英語の発音は割とナチュラルだし、音声はmp3でダウンロードできます。これをスマホにダウンロードして、ひたすらシャドーイング練習すればばっちり。

 

下記はサンプル

 

また「ODDCAST」も面白いです。こちらもDeepLで翻訳した文章をコピペして読んでもらいましょう。英語の発音は「音声さん」よりやや劣る感じですが、映像が動くので、なんとなくネイティブにレッスンしてもらっている気分になれます。

oddcast

ちなみにここまでは全部無料。

 

さらに、もっと実践で使いたくなったら、オンライン英会話レッスンを利用します。「スキマトーク」はネイティブの先生を選んで、1時間ごとにレッスンがバラバラに買えてフリートークできるので、1000-2000円程度で予約して、上記で作成した自己紹介を聞いてもらい、フィードバックをもらうと良いと思います。(レッスンはZOOMにも対応してもらえるので、先生に直接お願いするのがおすすめ)

 

後は実践あるのみです!(今はコロナで微妙な時期ですがLCCでサクッと海外のカンファレンスなどにいって、とにかくテストランするのも良いと思います)