大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

シーンとなる会議を改革する鍵は「結果」を出すこと

面白い講演録を読みました。

重要なことよりも、結果が出ることをやれ

 日本交通・三代目社長が、1900億円返済の過程で得た経営哲学とは?」

マッキンゼーを経て、3代目社長となった川鍋氏の話で、「結果が出ることをやるべき」という大変教訓に満ちた話なのですが、私には、下記の部分が響きました。

「会社をうまく回すには、取締役会ってのが大事なんですね。

 その会社の中の最高意思決定機関ですから。

 私も日本交通の取締役会に出るんです。取締役会って、ビジネス

 スクールでは戦略的に激論をかわすところだと……、どんな議論を

 してるのかと楽しみに行ったら、経理部長が「今月の売上げは

 こうでございますので」シーン……。社長である、私の父が

 「今月は売上げが悪いな、何でだ」

 「はい、雨でございました」(会場笑)

こういう状態をどう変えるのかって、本当に重要なテーマだと思います。

というのも、オーナー系の会社は得てしてこうなるので他人事とは思えないからです(汗)。

役員さんはいつのまにか番頭さんみたいになって、上から目線で下から上がってきたアイデアで叩くみたいな役回りになりがち

実は叩き上げの社長さんもそれを問題だと思っているんですけど、どうしていいのか分からないってケースは結構多いんですよね。

日本交通の川鍋さんとか、ユニチャームの高原さんはまさに、2代目(3代目)がその状態をうまく打破したケースです。

おそらくキーになるのは「結果を出す事」で、結果の前ではいくらカリスマ社長さんでもその事実を認めざるを得ない。(逆にいえば、口だけの人は認められないし、叩き上げだからこそ、結果を出す事を重要さを分かっている。)

そして、そのやり方が自分のやり方と違ったとき、または「自分が絶対に失敗する」と信じて疑わなかったやり方だったとき、その人の人格を認め、きちんと意見を聞くようになるのだと思います。

たしか、本田宗一郎氏が引退された理由も、若手が自分の反対した技術で成功を収めたからからなんですよね。