大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

入管施設でのスリランカ女性の死亡事故のビデオを公開するとどんな保安上のリスクがあるのか?

名古屋入管の収容施設でスリランカ人女性が不可解な死を遂げた事件。やっと調査報告書が出たが、内容がひどい。


president.jp

 

”ウィシュマさんの体調が悪化する中、看守の多くは「仮放免を受けるためのアピール」と疑っていたと報告書は指摘。飲み物を鼻から出してしまった際に、看守が「鼻から牛乳や」と心ない発言をしていたことも明らかとなった。” 

 
で、具体的処分は、佐野局長と当時の渡辺伸一次長が訓告、処遇部門の幹部2人が厳重注意のようだ。なんだこりゃ。

 

「あ。ごめんごめん」程度の処分で済む問題なのだろうか?

 

不法滞在という問題があったことはたしかだが、命まで奪ってしまうのは、それなりの問題(闇)があるということだろう。(念のため調査報告書も読んだが、ほんまかいなという内容)

 

FACTとしては入管施設で2007年以降になくなった人は17人(自殺者5名を含む)。全国の入管施設に収容されている外国人は、おととし(2019年)12月時点で1054人。このうち6か月以上の収容は462人とのこと。


多いのか少ないのかわからないが、20代の頃、スリランカ人にお世話になった私としては、大変申し訳なく、恥ずかしく思う。

 

結局、世論に押された形で、名古屋入管は部分的に監視映像を遺族に公開したようだが、最終報告書に具体的な記述があった「鼻から牛乳」などの部分は、ごまかしきれないので開示したようで、遺族は「人間の尊厳が守られていない」と憤慨している。黒塗りの報告書と同じで、今回非公開だった部分にどんな映像が記録されているのか、なぜ隠さなければならないのかぜひ調査報道してほしい。

 

自民党の川上法相が「保安上の理由で全部見せられない」とコメントしたり、森山国会対策委員長は「慎重であるべきだ」という、全く理由になっていない答弁をしているが、映像を公開するとどう保安上のリスクがあるのか、具体的に説明してほしいものだ。

 

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