大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

学習プログラムが最も効果を発揮するための「3つの条件」

 以前、放送大学の関係者にこんな(失礼な!)質問をしたことがあります。

 

私「放送大学の番組ってペースが遅くて眠くなるっていう人がいるですけど」(じつは私のこと)

相手「ですよね」

私「なんで変えないんですか?」

相「実は見ている人のほとんどは65歳以上のシニアで、今のフォーマットのほうが受けが良いんです」

 つまりメインのターゲットユーザーに対して最適なコンテンツを提供しているということでした。

 

さて先日、先端的な教育をしているメンバーとZOOMでディスカッションしたですが、教育を効果的にするには、抑えるべき3要素がありそうだという結論に至りました。前述の放送大学の話とも関連しますが、3つとは、

 

1)コンテンツ

2)伝え方

3)受け手

 

です。

 

まず1の「コンテンツ」は言わずもがな。2,3が少々まずくても、喋っている内容や対象としていることががめちゃくちゃ面白ければ、やっぱり面白いことは間違いありません。

 

2の「伝え方」もかなり大きく影響します。めちゃくちゃ面白いトピックでも、先生の伝え方によって面白さは”1万倍”以上違います。それを私は実感したのが、高校生の時に通った「代々木ゼミナールサテラインゼミ」でした。

 

勉強とか授業というものは面白くないもの、と思っていたのですが、代々木からLIVE中継される画面に映るカリスマ講師の授業を見て、

 

「学校でも同じ科目を教えているのに、教え方によって、ここまで面白さが違うのか」

と、ちょっとしたショックだったことは今でも鮮明に覚えています。

 

最後の3つ目は「受け手」です。

冒頭に上げた放送大学が好例ですが、受け手の相性と、教える方の相性が合わないと、そもそも学習が成立しません。もちろん多くの人に受けいられやすい喋り方もあるにはありますが、やっぱり普遍的ではありません。「良い授業」が客観的に存在しているのではなく、究極は相性なんです。

 

以上を踏まえ、教育プログラムや、授業を設計するときには、上記の3つを踏まえなければならないのいうのが、いまのところの結論です。