大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

ガッコ(gacco)の取り組みでMOOCの意義を考える

NTTドコモとNTT関連会社が日本版の「MOOC」として「ガッコー(gacco)」を4月1日スタートします。

当初は下記のようなコースラインナップをそろえている模様。

・日本中世の自由と平等(東京大学 本郷和人教授)

・インターネット(慶應義塾大学 村井純教授)

・国際安全保障論(早稲田大学 栗崎周平准教授)

・オープンエデュケーションと未来の学び(北海道大学 重田勝介准教授ほか)

・経営(マネジメント)入門(グロービス経営大学院 荒木博行教授ほか)

・俳句──十七字の世界(大手前大学 川本皓嗣名誉教授)

統計学・データ分析(大阪大学 狩野裕教授)

一つの見所は講義映像が「放送大学」のような単調なものになっていないかということ。

ニュースサイトを見ると、このあたりは抜かりなく制作している様子。

▼「gacco」スタート3日間で登録者数5,000人を超える、撮影現場取材レポート

http://edmaps.co/moocsnews/gacco/

上記取材記事の中で、早稲田大学政治経済学部准教授の栗崎周平先生が、MOOCの意義として下記の2つを上げています。

1)反転学習に利用できる可能性がある事 (反転学習についてはこちら)

2)大学授業の質が高まる事(一般公開される事でいろいろなフィードバックを受けるため)

いいですねー!


一方アメリカのMOOCは下記のような狙いで運営されていますが、NTTドコモのような営利企業がいかにMOOCをマネタイズしようとしているのかが気になります。

1)大学・大学教員の宣伝

2)教育格差の是正というCSR的なミッション

3)将来的に大学入学審査の要件にするための試験運用

4)修了証発行ビジネス(将来的には単位認定して正式にオンライン大化)

5)人材紹介ビジネス/知的人材バンクの構築

6)ビッグデータ(データをベースに教員育成など)

7)自校の授業内容のブラッシュアップ

8)企業の寄付講座による収益アップ/大学の魅力度向上

▼参考ブログ:MOOCのビジネスモデル

 http://flowone.blog.fc2.com/blog-entry-121.html

いずれにしろ「映像」(動画)自体を売って儲けるビジネスモデルはフリーミアムの動きの中で終焉に向かっています。

では何が今後のマネタイズのキーになるのか?

私は「コミュニティマネジメント」「反転学習」「ゲーミフィケーション」の3つだと考えています。

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週刊メルマガ「大人の学ぶ技術」より

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