2013年8月に京都で4日間研修を受けてきました。
トピックは「教育のためのTOC(TOCfE= TOC for Education)」です。
内容的には、ロジカルシンキングと問題解決思考法を合わせ、さらに進化させたようなものなのですが、私は数年のうちに、この手法が日本を変えるかも知れないと思っています。
というのも、従来の問題解決手法が「対立」を招きやすいのに対して、TOC型は「和」を促すからです。
「そもそもTOCって何なの?」という方のために少し解説します。
TOCは「Theory of Constraints」の略で、制約理論と訳します。
もともとイスラエルの物理学者だった故ゴールドラット博士が、作り上げた理論で、シンプルに言えば、組織内で流れを良くするにはどうすればよいか、について科学的に考察した思考体系です。
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ゴールドラット博士自身が、トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一氏を絶賛している事からも分かる通り、TOCは元々流れ作業をいかにスムーズに行うかについてフォーカスしていた理論で、MBAでは生産管理、サプライチェーンマネジメント、管理会計でカバーされるトピックです。
いかにリードタイム(製品を作るのにかかる時間)を短縮し、在庫を減らして、欠品をなくせばよいのか・・
この問いを突き詰めていくと「制約」に行き着きます。
例えば工場内で、A→B→C の流れで製品が作られているとするとこの3つの工程の一番効率が悪いところで、全体の効率が決まります。
仮に各工程に下記の能力があるとします。
A=20個/時間
B=10個/時間
C=50個/時間
さて、この工場の1時間あたりの生産能力は何個でしょうか・・・
そうです。10個です。いくらA, Cが頑張ってもBが10個だったら、全体の生産性も10個なのです。
そこで、Bをいかに助けて全体的に効率をアップするかというのがミソなのです。
ところが多くの現場では、A,B,Cのそれぞれの生産性をバラバラの指標で測るので、AさんはBさんを見て、
「これは、私の所で作りすぎるとBさんの前で仕掛品(未処理品)が溜まるな」
と思ってスピードを緩めると「Aさんの生産性が落ちているぞ!」と判断されてしまうのです(本当は生産プロセスに滞留している仕掛品が減るので良い事なのですが。)
こういう考えを、工場の生産ラインだけでなく、開発や営業など会社組織全体に拡げて考えようというのが、TOCの発想です。
そしてこういう「流れ(フロー)」の考え方を応用し、
「何かの問題が起こっている=流れが滞っている」
と考え、その部分の見つけて問題を解決しましょうというのがシステム思考型の問題解決=TOCfEなのです。
ちなみに京大MBAではTOCfEがカリキュラムに採用されており、同大学の若林教授がその内容についてプレゼンされていました。(下記)
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週刊メルマガ「大人の学ぶ技術」より
登録> http://www.flow-one.com/mailmag.html
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