大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

関係性を大事にするアジア/いきなり本題に入る欧米

8月27日にシンガポールマネジメント大学(SMU)のDr. Michael Benolielによるグローバル交渉の講義が行われました。

深い知見に基づく話で、通訳しながらいろいろと勉強になったのですが、もっとも面白かったのでは、

「契約(Contract)」と「関係性(Relationship)」

についての話。

欧米は「法の支配」(The Rule of Law)による国家統治の歴史が長く、司法制度への信頼が厚いため、「Contract」への信頼感が強い傾向がある。

つまり、一旦「契約」をしたらそれを履行する義務についての社会意識が強い。

一方、アジアは「法の支配」の歴史が短く、司法制度に対しても賄賂等々で信頼がそれほどある訳ではないので、「契約」よりもむしろ相手との関係を深くすることで、契約の履行を担保しようとする傾向があるという話でした。

「なるほどなー」

と思いました。

しかし欧米で「関係性」が大事じゃないかと言えば、そんなことはなく、むしろ最近は感情的な結びつきがフォーカスされて来ているんじゃないかと思えるほどです。

ベノリール先生はイスラエル出身なのですが、同じイスラエル出身の、ゴールドラット博士(制約理論/TOCの生みの親)が面白いことを言っていたのを思い出しました。

「月曜日が楽しみな会社にしよう!」(2分)

 https://www.youtube.com/watch?v=uP9Q8Z7F6tM

それは調和(ハーモニー)の重要性です。

自分の文化だとデフォルト設定になっていて気づかないものが違う文化に触れる事で意識される事って面白いですね。