TOCfE(教育のためのTOC)では、主に
「ブランチ」(因果関係の解明)
「クラウド」(対立解消)
「アンビシャルターゲットツリー(ATT)」
という3つの手法を学びます。この中で、「ブランチ」と「ATT」は「十分性のロジック(Sufficiency-Based Logic)」に基づいており、「クラウド」は「必要性のロジック(Necessity-Based Logic)」に基づいています。
「十分性のロジック(Sufficiency-Based Logic)」では、「If, Then(もし、**ならば、結果として***である(する)」という形になります。
「必要性のロジック(Necessity-Based Logic)」では「In order to***, we must
***(**するためには、***しなければならない)」という形になります。
この違いを具体的に説明します。下記の2つの文章があります(矢印が逆です)
1)「キャリアップする(したい)」←「早起きする」
2)「キャリアップする(したい)」→「早起きする」
1は「キャリアップするためには、早起きしなければならない(というプレッシャーを感じる)」という必要性のロジックです。
(「早起きする」という原因をつくれば、キャリアップするという(結果を得られる」という因果関係として理解することもできます)
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一方、2)は「(もし)早起きするならば、結果としてキャリアップできる」という十分性のロジックです。
つまり
1)「キャリアップする(したい)」←「早起きする」はクラウド型
2)「キャリアップする(したい)」→「早起きする」はブランチ型
と言い換えられます。
この2つは補完関係になっています。たとえば、クラウドで「キャリアップするためには、早起きしなければならない」という必要性のロジックを作ります。
その後で、矢印をひっくり返して、「キャリアップする(したい)ならば、結果として早起きする」という十分性のロジックを作った場合、「キャリアアップするためには、早起きだけでは十分でない」ことがわかります。
例えば早起きしても無駄な勉強をしていては、キャリアップはできません。しがたって、十分性を補完するための、仮定を追加する必要があるのです。
蛇足
私も当初頭がこんがらかっていたので、わかりやすくまとめてみました。
Theory of Constraints Thinking Process CCRT 3 Cloud Process
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数学でいう「必要条件」「十分条件」では、A→B という関係があるとき、
「Aは(Bであるための)十分条件」
「Bは(Aであるための)必要条件」
といいますが、これは「十分性のロジック」と矢印が同じですね。