大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

AIによる死海文書読解でイエスの実像が浮かび上がるか

マイナーだけど、死海文書の「イザヤ書」写本に2人の執筆者がいたというをAIで突き止めたというニュースがすごい。死海文書は1947年に死海付近のクムランで発見された。ちょうど書かれた時期がイエス・キリストが生きたとされる時代に重なっており、旧約聖書の原文でもあるので、ユダヤ人であるイエスがどんな時代的コンテクストの中で生まれたのかということを示すドキュメントとして発見当時注目された。

gigazine.net

 Albright Collegeの留学生だった僕は、Harvardの死海文書研究チームの一人だったSidnie W. Crawford教授のゼミにうまく入ることができ、課外授業で一緒にイスラエルに行きクムランなどの発掘サイトなどを案内していただき、なんとか及第点のレポートを書いた。その後の研究で、イエスエッセネ派であることは確定してきたが、そのエッセネ派の拠点であるクムランから出てきた死海文書にはメシア(=義の教師)が記述されている。

 そしてそれは歴史にイエスが登場する前だ。この義の教師がその後のイエスのモデルなのかは、まだ確定していない。
 ↓クロフォード教授の講演

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 だが日本で言う信長を誰が殺した、とはまた違う意味で、スケールの大きいミステリーであることは間違いない。

 あと20年ぐらいしたらAIでイエス・キリストの実像が解き明かされるのかも知れない。