大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

PDCAを活用しようとして誰もが陥る甘い罠

PDCAは改善の基本だけど「”CA”を中心にマネジメントをやって、社員のモチベーションを下げ、組織を悪くしているマネージャーが多い」というマツダ元会長 金井誠太氏の指摘が鋭すぎる。(この動画は必見)

 

youtu.be

 


実は僕自身もこのCAマネジメントの罠に一時期ハマっていたことがあったが、当時は全然気づかなかった。


このCAマネジメントの罠にハマるのは、職位が上がって現場から足が遠のくタイミング。現場から上がってきた数字にケチをつけていると気持ちよくなってしまうが、それでは判断を間違ってしまうのである。そして溝ができる。

 

そして最終的には、そういうCAマネージャーを高く評価してしまう経営者の才覚の問題になる。

 

ユニクロ柳井さんの愛読書「プロフェッショナルマネージャー」で著者のジェニーンが語っている本質も同じで、経理とかCFOでこの罠に思いっきりハマっている人は多い。

 

自分で「こう改善しましょう」という提言をいっさいぜず、出てきた結果にケチだけつけるのだ。そして、その「ケチ」の付け方を高く評価してしまう経営者が状況を悪化させる。


ちなみにPDCAの補足ツールとして、Pの部分をもう少し詳細に分解したOODAループというのがあるが、これもPがかなり大事だということだし、このPとDにいかに関われるかでマネージャーの真価が問われる。

 

 拙著で「マネジメントコントロール」について書いたのも、大雑把な戦略を、いかに現場で落とし込んで成果に変えるかが大事だと思ったからで、この話に通じるところがある。 

MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み

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  • 作者:若林 計志
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: Kindle版