大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

ブラック企業と人材育成制度の不在

週末の公開講座「マネジメントコントロール」@首都大東京で、現代的な「徒弟制度」について参加者の皆さんでディスカッションしました。

師匠と弟子の関係は、現在でも有効な場合は多々ありますが、下手をするとブラック化するリスクをはらんでいます。(特にカリスマ社長が経営する中小企業などは、この傾向になってしまうことが多々あります。)

したがって、意識的に「丸投げOJT」や「気合い(精神論)」に逃げないように気をつけ、人材育成を含めた社内のマネジメントコントロールシステムを改善・仕組み化することが必要になります。(実は「ブラック企業」と呼ばれてしまった企業でも、元々の意図は善良な事がほとんどで、それがいつの間にか迷走しているパターンが多いのです)

これにより、企業には健全な成長を遂げるためのマネジメント体制が整います。

下記は中原先生@東大のコラムですが大変納得です。

(引用)「背中信仰」「現場浪漫主義」「ガンバリズム」が共振したとき、「仕事で必要なスキルや知識は、現場に放り込んでおけば、勝手に背中を通して学ばれるはずであり、それができないのは個人が頑張らないからだ」という「ブラックな人材開発イデオロギー」が発動する。

「ブラックな人材開発イデオロギー」は、いわゆる「ブラックな組織」において、「自組織の人材開発の整備不全と怠慢」を「正当化」するロジックとして用いられる。 つまり、「組織が、仕事で必要なスキルや知識を学ぶための制度や仕組みを全く整備しなかった」としても、それが「学ばれなかった」のは「個人の努力不足と責任」と原因帰属される。

http://www.nakahara-lab.net/blog/2015/01/post_2340.html