「アパレルの大量生産・大量廃棄問題の解決案」に関するイベントに関わっているのだけど、この業界は年間25億枚の新品が生産され、予測が外れて10億枚が廃棄されるというなかなか激しい業界。それを他業種でプラクティスを転用して解決策を検討しようというカンファレンスなんだけど、一部の”専門家”のリアクションがなかなか興味深い。
曰く、アパレルが感性の世界だからしょうがないんだ、業界外の分かっていない部外者が余計なことを言うな、阿保か、etc.
まあ、ご本人も大量廃棄が問題だと思っていないわけじゃないが、長年解決できなかったんだし、それでメーカーや、アウトレットなども食っているエコシステムがある訳だし、いまさら部外者がしゃしゃり出てくるな、という気持ちはわからないでもない。
でもこれって、どの業界でも同じことだよなと思う。
例えば、Youtube100万人以上登録で昨年本人が情熱大陸にも出ていた「とある男が授業をしてみた」というチャンネルがあるが、開始当初は
「教育を汚すな」「ふざけるな」
と大量のお叱りメールを受けたそうだ。
2000年代はじめにEラーニングに関わり始めた僕も、全く同じことを言われた経験が何度もあったので、めちゃくちゃ共感する。
でも方向が正しければ、結局流れは止められない。
さらに反対のリアクションが大きいほど実は本質的なのかも知れない。箸にも棒にもかからないならスルーする方が自然だからだ。
実際、教育業界は確実にそっちの方向に向かっているし、地ならしされたところを受験サプリのような新しいプレーヤーが一気に獲得するなど、競争も本格化している。
そして当初反対していたはずの人が、いつの間にかコロッと手のひらを返すのが世の常なのだ。
自分のよく知る業界で新しい動きが出てきた時、過去の経験に依存してディフェンス側(大量のお叱りメールを送る側の人)にいくのか、その動きを貪欲に飲み込んで、新しい波に乗っていくのか、結構別れ目なんだなと思う。
経験によって思考の垢がたまると、先入観で何かと行動が億劫になりますはが、常に「Young at Heart」でアジャイルにいきたいものです。