DeNAファウンダーの南場さんといえば、フランクな語り口で本質をズバッとつくので、いつも勉強になります。
その中でも、今回の映像はDeNAの新規事業創出システムについて、いろいろな示唆が聞けるMust Watchな内容です。
▼動画
http://www.ustream.tv/recorded/74161078
★下記はそのポイントです
▼DeNAが新規事業を始める時のルール
1)市場が十分にでかいか(これから伸びるか)
2)その市場で勝てるか
3)「やりたくてたまらない」と目が輝いている奴がいるか
▼経営会議は何をやるか
法務/コンプラのチェックのみ(売れるかは判断しない)
背景:以前、自分がダメ出した社員アイデアを他社がはじめて大ヒットしたことがあった
学び:偉いおじさん/おばさんが判断したら間違える
したがって下記に変更した。
▼経営会議の役割:
1)go, not goは経営会議が判断しない
(特に初期投資がかからないアプリなど)
2)サービスを使ってみたユーザーを見て今後を判断
3)いけそうならスケールさせる
経営陣はマネジメントのプロであっても、必ずしも新規事業を見極めるプロではありません。特に新サービスが対象とするユーザー層が、経営陣の属性と離れている場合はなおさらでしょう。(女性向けのサービスを、男性の経営陣だけで判断するのが難しいのと同じです。)
南場さんも映像でおっしゃっている通り、新サービスをリリースする前に3Cとか4Pみたいな分析をやっても、それほど成功確率は上がるわけではない。
むしろ投資額やリスクが低いなら、どうしてもそれをやりたい奴にサービス(MVP/検証用のプロトタイプ)をリリースさせてしまい、ユーザーの声やKPI(リピート率などの指標)をチェックしながらブラッシュアップしていき、いけそうならそれをスケールさせる段階でMBA的な分析ツールを使った方が良いという、当然と言えば当然の話です。
▼いままでのやり方
1)ターゲット調査/コンセプト作り
2)ビジネスモデル構築
3)設計/業務
4)リリース
▼現在のやり方
1)UX(ユーザーエクスペリエンス)を考える
2)プロトタイプを作る(β版でユーザー反応を見る)
3)ビジネスモデル構築
4)リリース
つまり「戦略」ありきではなく、「ユーザーの感動体験」が先にあるということ。
○ UI/UX leads Strategy
X Strategy leads UI/UX
「イノベーション」を標榜しつつも、なかなか斬新なアイデアが社内から出てこない会社は、新規事業を評価するプロセスのどこかがボトルネックになっていないか、考えてみてはいかがでしょうか?
その際にDeNAの知見はかなりお役に立つはずです。