大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

仕事で助けているのは「過去の自分」(モチベーションの源泉はどこにあるか)

昨晩は東北最大の震災ボランティアプロジェクトを運営された西條先生@早大と、先日「NHKプロフェッショナル」に出演されていたソーシャル投資の新井和宏@鎌倉投信の講演会に参加した。

 

「社会貢献活動と収益事業のバランス」

 

についていろいろ考えさせられたが、自分的に最も面白かったのが、新井氏のエピソード。

 

新井氏はバリバリの外資ファンドマネージャーだったが、体調を崩して退職。心の渇きを感じて社会貢献に関わり始めたが、ふと振り返ってみると、自分はオヤジ(実家の父)と同じことをやっていることに気づいたそうだ。新井氏のお父さんは畳屋をやりながら、地元の養護施設を支援する活動をされていたそうで、金銭的にはかなり苦労されたご家庭だったとのこと。

 

それが嫌だから何億も稼げる金融の世界に入ったという訳でもないのだけど、気づいてみると結局自分のオヤジと似た生き方をしていた。。。とおっしゃっていたのが感慨深かった。

 

NPO一新塾の森嶋事務局が

 

「社会貢献活動している人は、人や社会を助けながら、実は自分(関わる対象を通して見える過去の自分)を助けている」

 

つまり相手の中に過去の自分を見ており、助けているのは本当は自分なのだと言っていた。

 

そうだ。タイムマシンはないけれど、我々は過去の不甲斐ない自分を相手(お客様)に姿に見て、そのお客さんを助けながら、過去の自分にリベンジしているのだ。

 

そういえば、僕がちゃんとマネジメントを勉強しようと思ったもプロジェクトマネージャーとして試行錯誤していた20代の頃、あまりのしょぼいマネジメントに愛想を尽かし、やめていった何人ものチームメンバーの顔が今でも目に浮かぶからだ。

 

「人のモチベーションはどこから生まれるのか」

 

という動機付け理論の研究はいくつもあるが、我々を動かすDRIVE(やる気・動機)の源泉は、過去の自分にあることは間違いなさそうだ。