2005年にハーバードビジネスレビューに掲載された南カリフォルニア大学の現役教授による興味深い論文(「ビジネススクールは病んでいる」)があります。当時この記事を読んで、かなりのインパクトを感じました。
論文の主旨は、米国のビジネススクールが「客観性」「科学モデル」を重視した研究に偏りすぎたために、「実用性」を失う結果となっているというものです。
そこで著者はビジネススクールは、メディカルスクールやロースクール(法科大学院)と同様に、実務に根ざした「プロフェッショナルスクールである事を認識すべきだ」と指摘しています。
実際の論文ではこう書かれています。
「一度も患者を診たことのない外科教授など想像する事も出来ないが、(中略)今日のビジネススクールは、知的で高度な知識やスキルを有していながらも、ビジネス経験のまったくない、あるいはほとんどない経営学者達で溢れている」
アメリカでこういった批判が出るぐらいなので、日本では。。。
絶対的なフレームワークも、手法もありえないし、そんなもんで儲かるなら、教授がビジネスして実証すればいい。
その一方で、長年積み上げられたアカデミックな研究成果を無視しては、せっかくの役立つ知識やヒントをみすみす見過ごすようなもの。だからバランスなんですよね。(使えるフレームワークも多いのも確かなので。)
▼論文(ハーバードビジネスレビューHP)の紹介はこちら
http://www.dhbr.net/magazine/article/200509_a01.html
▼英語版はこちら How Business Schools Lost Their Way
http://hbr.org/product/how-business-schools-lost-their-way/an/R0505F-PDF-ENG