「世界の経営学者はいま何を考えているのか」という一冊を読了。
著者はNY州立大の先生で、
「ハーバードビジネスレビューは学術誌ではない」
など、割とセンセーショナルな感じで始まります。
アメリカの経営学は「サイエンス」(具体的には統計による仮説の証明)重視なので、ドラッカーのようなどちらかと言うと定性的な論説はあまり重視されないとの事。
ただ、読み進めていくと、統計解析にも限界があるという事も説明しています。
またハーバードビジネスレビューは査読論文の「学術誌」ではなく、最先端の経営学を現実に応用するのはどうしたらいいのか、という実務用の雑誌だという説明にも納得。
個人的には経営学に「経済学」「認知心理学」「社会学」の3グループがあるという解説や、リソースベーストビュー(資源ベース戦略)を巡る学術誌上での論争などが詳しく書いてあるので勉強になりました。
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私が、もっとも興味があるのは
「ビジネススクール(MBA)は本来どういう位置づけであるべきなのか」
ということ。
ほとんどの社会人学生は「経営学者」になりたい訳ではなく、MBAを卒業後に実務で応用しようという動機で入学します。
それならば、この理論は統計的にどうだという議論の意味は認めつつも、それがどう現実のビジネスで使えるのかを知りたいはずですし、もっとそこに時間を割きたいはずです。
著者は
というスタンスですが、これから経営学が向かう方向性を説明していますので、その点でも参考になります。
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世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア (2012/11/13) 入山 章栄 商品詳細を見る |