ベストセラー「ストーリーとしての経営戦略」について、著者の楠木先生のコラムを発見。ご著書について読者から毎日のように「金返せ!」というニュアンスの怒りの声が届くというのは驚きだ。
その理由は「使えるスキル」が解説されていないからだという。
楠木先生は、読者は「ストーリー戦略の作り方」のようなフレームワ—ク(スキル)を求めていたので、その期待感とのギャップで不満を持ったのだろうと分析されている。
人材育成、社員教育に関わっている人にとって、この「スキル」と「概念(コンセプト)」のバランスをどう取りながら、教育サービスを提供していくのかは、悩ましい問題。
わたしも教育デザインを担当する責任者として、ずいぶんこの問題で悩んだ。(現在もだが。。汗)
楠木先生に言わせれば、”戦略をつくる”のは「センス」であって、分析するための「スキル」とはまったく違う。
「一方のセンスはというと、スキルとはまるで異なる。スキルと違って、ある人にはあるのだが、ない人にはまるでない。センスを身につけるための定型的な方法もない。だから「それはセンスの問題だ」と言いきってしまうと、「それを言っちゃあおしまいよ!」という話になる。はじめに紹介したような苦情が殺到する。」
「センス」を磨くには、場数を踏んで身につけていくしかない。そのひとつの方法として良質の読書を通じて対話する、を提唱されているが「なるほど」と改めて思う。
一般に、組織階層が上にいくほど「スキル」→「概念」へと求められる能力がシフトしてくる。それをシンプルに解説しているのがハーバード大のロバート・カッツ先生による、いわゆる「カッツモデル」です。