大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

測ることは「目的」を設定すること

周囲からのプレッシャーという意味を指す「ピアプレッシャー」。

 

うまく使うとモチベーションが上がりますし、失敗すると一気にやる気がダウンします。

 

例えば、部下が上司の視線を背中に感じながらうまく仕事をやり遂げる事は、成長につながります。さらに上司が適切なフィードバックを与える事が出来れば、モチベーションもグーンとアップします。

 

子どもでも同様で、先生や親がなんとなく見てくれているという安心感は、モチベーションは向上させます。

 

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ところが、それが監視に近くなればなるほど、モチベーションはダウンしはじめます。

 

たとえば、営業マンの行動をGPSで監視したり、社員のメールを総務などがモニターすれば、モチベーションにどういう影響を与えるでしょうか?

 

会社(上司)と信頼関係があれば安心感につながるかもしれませんし、お互いに不信感が強いと、逆効果になるでしょう。

 

「ザ・ゴール」の著者ゴールドラット博士は、

 

人は測られた通りに行動する

 

という名言を残していますし、ドラッカー

 

測ること=目的を与えること

 

であると著書で述べています。

 

最近はビッグデータ流行りなので、なんでも行動を計測して管理しようという方向に向かっていますが、何をどんな目的で計測するかはモチベーションに少しずつ影響を与えます。この辺りを慎重に考えたいものですね。

 

余談)株式会社武蔵野・小山昇の会社では、大きな神棚をオフィスに設置しているそうですが、「神様が常に見ている」というプレッシャーの与え方は、

 

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神(プロ倫)」

 

に見られる古くて新しいやり方なのかもしれません。

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 - Wikipedia