大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

つまらないオンライン授業映像の作り方?

出口の見えないコロナの時代に、企業研修やコンサルの世界もどんどんオンライン化が進んでおり、ご多分にもれず、私の会社も大きな影響を受けています。

 

ただ10年以上、オンラインで大学院プログラム(MBA)を運営した経験からリアルとオンラインには、本質的な差がない、むしろオンラインにこそアドバンテージがあると思っている私としては、いまが千載一遇のチャンスだと思っています。

 

ただ、オンラインで授業を作る時には、いくつもの落とし穴があって、その代表的なものが

 

「つまらない映像」

 

を作ってしまうこと。

 

突貫工事でつくられた「オンライン授業」を見ていると、わざとつまらなくしているんじゃないか、と思うような眠たいものがたくさんあります。

 

当然YouTube慣れしている中高生は学校の先生のしょぼい動画は倍速で見るか、スキップするかの2択です。

 

では、いったいどんな授業動画を作ればいいのか?

 

最近、動画作成のコンサルをしていて、かなり気合を入れて作った映像がこちらです。

 

■「新型コロナウィルスにまつわる様々な問題を引き起こしているたった一つのコアのジレンマとは?」

 

映像版

youtu.be

書き起こし版

note.com

 

もともとはZOOMで行ったオンラインワークショップの映像ですが、カメラの切り替え、参加者モニターの配置、オンライン付箋(ポストイット)の使用など、お金をかけなくても、オンラインで使えるツールを駆使して行えば、かなり面白い映像が作れることがわかっていただけるはずです。


つまらない動画を作ってしまう訳

いきなりですが、少し学生時代を思い出してみてください。どんな授業が記憶に残っているでしょうか?

授業内容そのもの? それとも別のものでしょうか?

 

実はEラーニングを設計する上で、これはとっても大切な問いかけです。

 

多くの人の記憶に鮮明に残っているのは、授業に関連して(もしくは脱線して)先生が話してくれた個人的なエピソードや人生論、授業中に起こったハプニングなどではなかったでしょうか?

 

もちろん、授業内容自体がしびれるほど面白かった先生もいたかも知れません。

でもその理由は、

 

「先生の授業スタイルがユニークだった」
「話を聞きながら映像が頭に浮かんだ(ストーリーテリングがうまかった)」

 

といった理由ではないでしょうか?

 

Eラーニングの黎明期(2000年初頭)には、いろいろな機関がこぞって
映像教材を作りました。当時のネット回線は、まだそれほど速くなかったのでDVDやビデオ、CD-ROMが主流でしたが、そのEラーニング用の映像教材を作る上で、多くの関係者が勘違いしていた事があります。

 

それは

 

「講義映像には、授業のエッセンスのみが凝縮されているべきだ」

 

という誤った考え方です。

 

集合で行われるリアル授業に比べて、映像は編集が自由です。そこで授業内容に直接関係ないエピソード(余談)の部分は、全部カットしてしまい、授業内容そのものだけの映像を作れば、効率によい映像教材ができるだろうと考えたのです。

 

しかし、話はそれほど簡単ではありませんでした。

 

編集でエッセンスだけを集めた映像は、確かに効率的なのですが、肉汁が抜けてパサパサになってしまったステーキみたいに、ぜんぜん美味しくない(面白くない)のです。

 

初期のEラーニングや映像授業(一部は現在でも!)は、このあたりがあまり意識されていないために、見ていると

 

「つまらない」→「眠たくなる」→「修了率が下がる」

 

という流れになってしまっているものが多数あるのです。

 

▼続きは

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