MBA流 大人の学ぶ力

MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題から何が学べるかを考察します。by 若林計志

後発サービスが勝つ条件とは?

ここ数年考えているテーマに「後発サービスが、先行サービスに勝つにはどのような条件が必要か」がある。

 

通常は、市場に早くサービスや商品を投入した方が有利に働く場合が多い。Walkman などはその典型で、商品名自体が新しいカテゴリー(Blue Ocean)を作ったのはご存知の通り。

 

また、先行サービスや商品が斬新すぎてコケてしまった場合や、市場がその価値をちゃんと認知できない場合、時間をかけたり、その欠点を埋めてバージョンアップ版を市場に投入すれば、チャンスはある。

 

「ウォシュレット」などはその典型と言える。

 

では、先行サービスがそれなりに成功している場合は、後発はどう戦えば良いのか?下記のセブンイレブンの記事を見て、何が勝因だったかを考えている。

 

鈴木敏文元会長が、主にセブン-イレブンの店舗にATM(現金自動預払機)を設置するための銀行設立を構想すると、「銀行のATMも飽和状態にあるのに収益源がATMだけで成り立つはずがない」「素人が銀行を始めても必ず失敗する」……等々、猛反対され、容赦ない声が浴びせられました。

それでも、「コンビニの店舗にATMがあれば、顧客の利便性は飛躍的に高まる」という顧客起点のシンプルな理由から、前例のない、流通業による自前の銀行設立という困難に挑戦していきました。

 

成功要因の一つは、セブンイレブンという「店舗」を持っていたというアドバンテージだ。すでにお客さんを握っていたので、ATMはアドオンサービスにすぎない。

 

また消費者が声に出さないけれど、潜在的に持っていたニーズ(買い物ついでに、お金を出し入れをしたい)をちゃんとすくい取ったという点も大きいだろう。

 

だが、成功の要因を語るには、何かかがかけている気がする。3C分析では語れない何かが。

 

例えば、LINEを考えてみる。LINEの登場前にも、携帯電話会社のSMS(ショートメッセージ)は普通に存在していたし、使い勝手はイマイチだったが、違うキャリア間でもまあまあ使えるレベルだった。(いまでもキャリア間のSMSはしょぼいけど)もちろん、もっとスムーズにやり取りできたら最高だなあ、というニーズはあったとは思う。

 

しかし、LINEがそこに大量の投資をして、勝てる見込みはどこにあったのだろうか?経営陣や投資家は、リスクと可能性をどう見抜いたのだろうか?海外の同じような先行事例からいけると判断したのだろうか?キャリア本体が同様のサービスをぶつけてくるリスクをどう見積もったのか?(その可能性は低いと見たのだろうか?)

 

アマゾンもそうだ。アマゾン登場前には「Barns & Noble」という日本の紀伊国屋丸善に当たるような巨大書店があって、初期にはアマゾンに対抗してネットショップを立ち上げて、潰そうとした。しかしそうはならなかった。

 

ソフトバンクも、ドコモやAUなどのガリバーが存在する市場で、後発では絶対に勝てないと言われながらも、現在の成功を成し遂げたし、メルカリもあっという間にヤフオクを凌駕した。

 

もちろん逆のパターン(というより普通のパターン)もある。グルーポンのような新興サービスが日本市場に入ってきた時、リクルートが対抗サービスとして「ポンパレ」のようなサービスをぶつけ、返り討ちにした。むしろ、市場競争ではこのパターンの方が普通だが、どうして、そこからサバイブし、大きくリープするサービスが出てくるのか?どんな条件があるのか?

 

またコラムで考察の続きを書きたいと思います。