大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

AIが作り出す未来

先日、NHKスペシャル人工知能 天使か悪魔か 2017」が放送されていました。

NHKオンデマンド(2017年6月25日(日) )

www6.nhk.or.jp


番組内では、

1)事故を起こす危険性の高い運転手をドライビングレコードから
  AIで見つけ出すバス会社のシステム

2)被告の再犯リスクを予測し、刑期の決定などの参考情報を提供する
 AIアラートシステム

3)NTTドコモの位置情報と、タクシー会社の乗降記録をミックスして
 ドライバーに最適な流しのルートを提案するAIレコメンデーション
 システム


など、興味深い事例が目白押しでした。

上記1、2は、「レベル4」の自動運転技術が実用化されると、
そもそのもドライバー自身が完全にAIが取って代わられる
アービトラージ」が起こりそうです。

2)についても、究極は犯罪を起こす前に犯罪を起こしそうな人を
探知する技術の確立ということになります。映画で言うところの
「マイノリティレポート」(トム・クルーズ主演)の
世界になるわけですね。倫理の問題はありますが。

▼マイノリティレポート

Amazon | Minority Report | | 本 通販



▼自動運転のレベル解説(1から4)
(日本政府は2020までに「レベル3」を目指している)

自動運転車 - Wikipedia


2045年には、AIがあらゆる面で人間を凌駕しすると言われる「シンギュラリティ」がきます。その前には、特定のカテゴリーで次々に人間の能力を超えていく「プレシンギュラリティ」の到来が予想されています。

また同時に、AIによって仕事を奪われる

「AI脅威論」

が叫ばれています。

ただよく考えてみると
「電卓」の時代からマシンは人間の計算能力を
とっくに超えています。

だからといって仕事が奪われたでしょうか?

現実はむしろ逆です。

もちろん、そろばんで計算の仕事”だけ”をする人の職業は
奪われたかもしれませんが、それ以上に社会にとっては
ビジネスチャンスが増えたメリットの方が大きいのです。

おそらくAIの社会進出も同じような状況を作り出すの
だろうと思います。


筆者はAIの教育活用(Education × Technology=EdTechと呼ばれます)に興味があるのですが、もちろんこちらもAIとは無縁どころか、ど真ん中の業界です。

まだまだAI界隈の話題の中心は「教育」ではありませんが。

しかし、学習者のデータがビッグデータレベルで溜まってくれば
それを分析するLA(Learning Analytics)が注目され、そこに
AIが投入されるのは必然です。

AIの世界ではブレークスルーの手がかりが1、2%見つかると
あとは一気にアルゴリズムができ、Deep Learning
指数関数的に100%まで一気に進化するのはよくあること。

筆者は昔から、個人が発した言語データがある一定以上の
閾値(しきいち)を超えると、AI上で人格を作り出す
ことができ、教育の現場では、先生のアシスタントとして
生徒を指導できるの世界はくるだろうと思っています。

その可能性がいつ見えてくるのか?
AI業界からは目が離せません。