大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

ビジネスチャンスの見つけ方の定石

雑誌やコラムで「ビジネスチャンスの見つけ方」がいろいろ語られる

のですが、要約してみると下記の3ステップになります。

 

1)お客さんはどんな問題を持っているか
2)その市場がどのぐらい存在しているか
3)自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?


まず第一は「問題」を発見することですが、これを言い換えれば


「不満」

 

<不>の文字がどこに存在しているかを見つけることです。

(まさに「リクルート社」の社是そのものです)

 

言い換えれば「満たされていないギャップ」を発見し、そこを埋めることで差分を取るのです。


そして、一人ひとりのお客さんを集約した概念が「市場」です。

 

マーケットボリュームがどれぐらいあるのかを見極めることが
できれば、そこに時間やコストを突っ込んでいいのかがわかります。

 

そして、ありきたりではない、自分オリジナルのソルーションが提示できえば、競争力を持って戦うことができます。

 

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上記に関連しますが先日、自動車修理で儲かっている社長さんとお話しする機会がありました。同社が専門にしてるのは

 

「雹(ひょう)でへこんだ車の修理」

 

なのだそうです。


「雹なんてそんなに降るんですか?」
「ちゃんと商売になるんですか?」

 

と興味津々だったのですが、日本には毎年数回かなり大きな雹が降るのとのこと。で、お客さんの自動車を預かっているディーラーやら中古車ショップは、雹が降るともう大変です。

 

一斉に手持ちの自動車のボディが細かく凹むわけですから、

 

「雹害車」

 

を直さないと商売になりません。

 

さらに雹は同一地域に一斉に降るので、その地域での被害車は一気に数万から数十万台にもなるそうで、修理工場も追いつかないのだそうです。

 

その上、変に修理をすると、「事故車」になって下取り価格が下落してしまいます。

 

ここまでの段階で、

 

1)お客さんはどんな問題を持っているか
2)その市場が存在しているか

 

は完全に満たしているのですが、問題はステップ3の

 

「自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?」

 

です。

 

彼の場合は、若かりし頃にアメリカの雑誌を見ていてデントリペアという、特殊な修理方法の日本でのフランチャイズ権を取得したそうで、それを使うと通常板金屋の半分以下の工期で修理できるとのこと。

(しかも事故車扱いにならない!)


▼彼の会社ではないですがデントリペアの参考

デントリペアとは|デントリペア専門店 Y's FACTORY [東京都町田市]


そして、自動車保険で雹被害は補償されるのだそうで修理代が回収できないということもほとんどありません。


▼[雹(ひょう)が降ってきて傷がついた時](ソニー損保)

www.sonysonpo.co.jp


「おおー、すごい」

 

と唸ってしまいます。

 

ちなみに、海外から進んだものを取り入れてビジネスするのを

 

「タイムマシン経営」

「クロスボーダー型アービトラージ

 

と呼んだりしますが、まさにそのど真ん中のビジネスモデルです。でも、こういうことを考える人はたくさんいたはず。

 

で、勝負を決めるのは実際にアイデアをベースに実際に相手のコンタクトをとる「行動力」という結論になります。


当たり前と言えば当たり前!

 

また当初は自分しかできない解決法を提供することで「ブルーオーシャン」を謳歌できたビジネスでも、時間が経つにつれてライバルが増え、血の海に染まっていきます。

 

したがってビジネスモデルに常に改良を加えたり、イノベーションを起こす必要があります。

 

そして、その先には、

 

4)OPT(Other People’s Time)を使う
5)OPM(Other People’s Money)を使う


があります。人生は有限なので、人を雇うこと(=OPT)でビジネスシステム
を作って拡大し、さらに銀行や市場からファイナンスを受けて(=OPM)、
レバレッジをかけるという話です。

 

この5ステップを確実に踏むことが大切なんですね。

 

最後におさらいです。

1)お客さんはどんな問題(不)を持っているか
2)その市場がどのぐらい存在しているか
3)自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?

4)OPT(Other People’s Time)を使う

5)OPM(Other People’s Money)を使う