大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

グローバルという働き方

最近、企業のグローバル研修をお手伝いする事があるが、その一環で海外関連会社でのインターンを経て帰ってきた方のコメントが面白かった。

 

その方曰く、

 

海外では、上司でも部下でも自分の仕事のスタンスや方法を主張しなければ相手に理解してもらえない。もちろん主張すれば相手と対立する事もあるが、別にそれはネガティブな事ではなく、相手も主張をぶつけてきてディスカッションする中で、よいバランスを見つけていけば良いという事に気づいた。

 

ある意味、私と逆の経験をされているのだなあと思い感慨深かった。

 

私自身のキャリアはアメリカで始まり、スリランカイスラエルの短い駐在を経て、日本企業へ勤務することになった。

 

一緒に仕事をする人は多くの場合、その道の「プロフェッショナル」である事が多く、彼らの要求レベルを満たすのに苦労した。

 

その一方で仕事自体は比較的やりやすかったし、そのレベルに追いつこうと、いろいろ勉強の機会をいただいたので感謝している。

 

ただミーティング等では、上司云々にかかわらず思った事を発言する欧米スタイルだったので、根回し等々の「日本式」に慣れている一部の人には煙たがられた事も確か。

 

「お前は生意気だ」

 

とばかり何度も睨まれたし、サラリーマンなりにそれなりに苦労もした。

 

そこで、徐々に自分のスタイルを「日本式」に合わせていったという経験がある。

 

今回グローバル研修を行った人の感想は、これの全く反対だったわけだ。

 

もちろんどっちがいい悪いという話ではなく、「郷に入りては郷に従え」という話。

 

ただグローバルを標榜する企業なら、年功序列をベースにした

 

「和」

 

を強要するカルチャー(空気)は変えていく必要があるし、自分たちの特殊性をある程度自覚した上で、マネジメントをしなければならないのだなと思う。

 

「和」は手段であり、目的ではないのだから。