2011年に発刊した「プロフェッショナルを演じる仕事術」に次のように書きました。
「師匠にとって弟子を取る意味は、自分の志を継ぐ継承者を育てる事、そして同じ高みを目指して修業する"仲間"を得る事以外にありません。自分にイチイチ反論する人を説得しながら、自分が何十年もかかって身につけたものを教える筋合いはないのです。だからこそ弟子側が自分の価値観やプライドを捨て、素直に学ぶ姿勢を見せられるかどうかが極めて大切です。」(【PHP衆知コラムより】 「一流ビジネスマン」の真似をしていると いつの間にか成功できる!」)
よく、一般書のアマゾンのレビューで
「そんな情報はウソだ(危険だ)」
「どこにでも書いてある情報で、目新しさはない」
といった批判が書いてある事があるのですが、もったいないなあと思うんです。シンプルな原理原則を実行して成功している人は多いし、ウソだと思った情報を実際に現地に取りにいったら、本当だったなんて事も結構あります。
やっぱり、行動しないと何も分かりません。で、一歩行動すると、後は結構楽なんですよね(例を挙げると、日本からアジアに行くのはやたら腰が重いのに、タイからカンボジアやミャンマーに行くのは、なぜだか気が楽なのと同じです。)
バーチャルな世界で頭でっかちになるのはその人の自由です。さらに大人なので、その人を無理矢理教育して、考え方を変えないといけない義理は誰も持っていません。(その意味で、金八先生はいないのです)
特にビジネスチャンスの話などは、当然ながらリスクと裏返しです。したがって教える方も、自分で責任を取れない人をわざわざ説得して、損したときだけ責任を問われても損なので、通常はスルーします(双方にとって時間のムダですから。)
だけど一歩踏み出してみると、見える景色は圧倒的に変わるんですよね。
最近も、アジア駐在歴が長い知人がアジアビジネス/投資の本を出したのですが、「いい情報を手に入れたので、そのうち何かやってみたい」的な書籍レビューは結構あります。それはそれでいいのですが、
人って
「こういう場合はこうしたほうがいい」
「もしもの時はこうすればいい」
という知識を持つと、その知識を持った事自体に満足(安心)してしまって、もしくは頭の中で、すでにやった気になってしまって、実際には何もアクションを取らないという事がよくあるんです。(自戒を込めて)
もちろん、何かを知らないよりは、知った方がいいのは前提としても、やっぱりやって初めて分かるが圧倒的に多いので、「行動」と「実践」のバランスが大事ですよね。
起業でもアジア投資でもそうですが、自分で能動的に「そうしよう」と意志を持ってアクションを取らない限り、受動的には行動せざるを得なくなる状況は起こりません。(起こってもレアな確率です。)
世の中には、オジサンが情報をこねくり回して、石橋を1万回叩いているうちに、アジアでスタートアップを立ち上げている若者がたくさんいます。
(東洋経済記事)
「美人女子大生が、タイで起業家になったワケ 日本で働かず、即、海外へ飛び出す20代の心境」
アジアに羽ばたく若者の強みは「知識や経験」より、「勢い(失うものがない強み)」「飛び込む勇気」「時間」が大きいですね。
基本的に「現状維持」は楽なんです。その楽を乗り越えるための一歩が大事。