大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

クリエイター集団のマネジメント

最近クリエイター系の人&クリエイター会社経営者と話す事があり、みんなほとんど同じような事で悩んでいるんだなと思いました。

拙著「MBA流チームが勝手に結果を出す仕組み」(PHP)にこんな一説があります。

「(イノベーションを起こすには)業務には直接関係なさそうな活動も必要になる。そういった活動を通じて得た情報や経験が、ある瞬間に頭の中でつながって、ひらめくという事がよくあるからだ。そういった「金になるのかならないのか分からない活動」を見守るのは、管理する側に忍耐が必要になる。」(P123)


MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み (PHPビジネス新書)MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み (PHPビジネス新書)
(2013/02/20)
若林 計志

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イノベーションって、それなりの環境があれば一定の確率で起こるんだと思います。元ソニーのカリスマクリエイターが

昔は他部門の人と自由にディスカッションできたけど、今は上司の許可がないとできなくなった

とインタビューで語っていましたが、このように管理をキツくするとイノベーションは起きづらくなります。

私も「関係のない本をオフィスで読んでいる」などと指摘されたことが何度もありましたが、結局それが役に立って、大幅な業績アップにつながった事が何度もあります。でも、そういう活動は周りの人には理解されにくいし、確かにマネジメント側も管理しにくいも事実です。

だからこそ、財務系のマネージャーがクリエイター会社に入ると、「スパイダーマン3」みたいな、過去の業績から収益が予想しやすい事業をやりたがるのですが、そういう過去の遺産を食いつぶす形のビジネスモデルには限界があります

「元カリスマ●●が立ち上げた会社」というのも、その遺産を食いつぶす前に、新しい価値を生み出さないと、衰退は避けられません。だからこそ、現場をもっとエンパワーする必要があるのです。

ということで、「任して任さず」の経営をどう実現すべきかについて、イノベーションマネジメントについて近日ご紹介したいと思います。