大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

敬語が使えない若手芸人の現地ロケ

たまにバラエティ番組で地方ロケをしているシーンを見ますが、若手芸人が、地元の農家やお店の人(それもかなり年配の方)に「へー、そうなんだー」と、タメ口で話しているのを見かけます。

(相手はその若手芸人に敬語を使っているのに)

もし本人が親しみ感をだすために、タメ口でしゃべっているのであれば完全にズレています。

老人ホームなどで、ヘルパーさんが親しみを出すために、被介護者に対してわざと友達口調でしゃべる事はありますが、それは相互に信頼関係が構築できた後の事。

さらに「自分(テレビ側)の方がエラい」「自分たちは取材してやっている」と思って無意識にやっているなら、もっと大きな勘違いでしょう。

取材される方も「言葉遣い気をつけた方がいいよ」とは言いにいくのだと思いますが、ああいうのを子どもが見たら、どう思うのか心配になってしまいます。

ただ少し見方を変えれば、これまで生きてきた中で、こういう基礎的な事をちゃんと指導してくれる先輩を持てなかった点で、かわいそうだなと思います。

おそらく「この人から学びたい」と本気で思う人に将来出会っても、とってつけたような敬語しか使えなかったら、「学ぶ準備ができていない人」と見なされて、大事なものを教えてもらえないでしょう。

どんな人にも敬意を払う。特に自分の方がパワーを持っていると思っているときほど、そういう謙虚さが必要です。

コミュニケーションの善し悪しを判断するのは、言葉を発している本人ではなく、受け手がどう思うかです。芸人の世界でも、売れている”毒舌芸人”は一見失礼なことを言っていても、相手との間合い感、機微をちゃんと捉えています。

その絶妙な距離感が読める数%の若手芸人だけが生き残り、将来芸人として大成するのかなと思います。