大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

Eラーニングの未来:学習体験を売る

昨日、秋葉原UDXで開催されている「eラーニングアワード」という業界関係者向けのイベントに行って来た。

印象としては、動画配信やLMS(コース管理システム)などのインフラは、ほぼ統一されてきたということ。大手企業や大学は「Moodle」というオープンウェアを使ってインフラを作り、そこにGoogle Appsなどを組み合わせれば、ほぼ完成形となる。

それ以上の差別化は難しいので、おそらく今後は、内容(コンテンツ)側に視点がシフトしてきてくる。

ただコンテンツと言っても、映像(動画)の作成コストや配信コストは、かつてと比べて劇的に下がっており、早晩無料化(フリーミアム)に向かう。

そんな中で、今後のキーワードのひとつは、みんなで学び合う「ソーシャルラーニング」になるだろうと思う。(商業版では、セールスフォースドットコムが「Chatter」というフェイスブックそっくりの社内向けSNSを実装して、それなりに成功を収めているし、日本にも社内SNSの会社は複数ある)

映像コンテンツはフリーミアムの波に晒されており、ハーバードでもMITでもスタンフォードでも、無料で見られる映像講義がいっぱいある。(TEDなども同じ範疇)

おそらく、これらの講義は、今後、正式に単位認定の方向に向かうはずなので、「映像を売る」というより「学習体験を売る」という方向にシフトしてくると思う。

東京大学情報学環の山内准教授のご講演「ソーシャルメディアを利用したキャリア学習の支援」は、ややそういうニュアンスを感じさせるものだった。

http://www.elearningawards.jp/program.html