大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

結論のない議論をするのが教養

NHKスペシャルシリーズ日本新生"国際人"がニッポンを救う

アグネス・チャンスタンフォード大の博士号)が面白いことを言っていった。

海外の大学では、学生が事前に勉強してきた事をみんなで教室で議論する。先生はあまりしゃべらない。最初のうちは、せっかく高い学費を払ってきたんだから、先生の話が聞けないと価値がないと思っていた。他の学生の話なんて聞いても損じゃないかと思っていた。でもそれは違うっていう事が分かった。

僕も本当の学問ってそんな感じだと思います。答えなんてないんですから。でも先生から正解が聞けないとどうしても不安になっちゃうんですよね。

ハーバード大でリーダーシップ研究の権威であるジョン・コッター教授の2日間特別講座を受けにいった友人(日本人)が、先生があまりにしゃべらず参加者同士で議論させるので、最初のうちは損した気になったと言っていたのを思い出しました。逆に向こうの参加者は、著書にプラスアフファぐらいのことをしゃべるんだったら、価値がないと考えているようで、その辺が驚いたといってました。

そいうえば、ある日本の大学教授とお話ししていたとき、海外の大学ばりに結論がないテーマについてクラス議論をすると、どうしても学生の満足度が下がるので大変だという話をされていました。どこかで、先生の教えた知識を再生産するのが学問だというメンタルブロックを超えないとダメそうです。