大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

ECサイトの勝ち方

金持ち社長によれば、ECサイトの勝ち方には3つのパターンかある。

 

 

1)質で勝つ

2)種類(量)で勝つ

3)安さで勝つ

 

ゾゾタウンは当初1の「質で勝つ」を標榜していたのだが、規模が拡大し、参加者が増えてきた時点で、2の「種類で勝つ」にスライドしていった。

 

しかし、そうなると「大勢の中から質の良いものを選ぶ」というコストをセーブしたいがためにゾゾを利用してきたユーザーを裏切る形になる。

 

また出展者も、昔は厳選した店しか入れない「セレクトショップ」の中で商売できたような感覚から、玉石混交する「ショッピングモール」での商売に変わってくる。

 

したがって、よほど目立つ施策を取らない限り、良いものでも、その他大勢の商品の中に埋もれしまい、結果的に次第に売上が下がっていってしまう。ちょうど楽天市場が陥っている状況に近いかも知れない。

 

ここでゾゾとしては打つべき戦略は

 

1)ゾゾプレミアムにして、マーケットを分ける

2)出店のハードルを改めて上げ、出展者を再度絞り込む

 

となるだろう。

天才たちに共通するもの

TBS「消えた天才」の1月3日放送は、 松井秀喜さん、松岡修造さんなどが、かつて絶対に勝てなかったライバルについて語る新春スペシャルだった。それを見ながら、

 

「天才になった人」と「天才になれなかった人」

 

を分けた共通点は何だったのだろうと考えた。番組をみる限り、天才としての実力は僅差で、しかも見方によってはライバルであった「消えた天才」の方が上回っていた。

 

talent


そして少なくとも「天才」になった一流プレーヤー自身が「あいつには敵わなかった」と語っているので、(多少思い込みがあったとしても)それなりに真実は含まれているのだとは思う。

 

ただ能力があったにも関わらず、それ開花させられた天才は一部に過ぎない。なぜか。それは外部要因、内部要因がベストなタイミングでマッチしなかったからである。

 

では、どうすれば「天才」になりえたのか?結論としては下記の3つが共通していた。

 

1)自己肯定感(自信)をつけるために十分な修行期間があった

2)厳しい練習を克服するモチベーションがあった(自分のやっている競技が好きだった)

3)運があった(タイミングが良かった)

 


1)自己肯定感(自信)をつけるために十分な修行期間があった

 

これについては松岡修造さんが現役時代に「唯一勝てなかった錦織クラスの天才」と語る辻野隆三さんのケースが参考になる。

 

10代の頃、同じテニスクラブに所属していた2人だが、辻野は松岡より早く実力を見出され、世界のトッププレーヤーの卵しか入れないアメリカの超名門クラブにスカウトされた。松岡には声がかからず悔しい思いをしたそうだ。

 

だが、名門クラブでのトレーニングは過酷だった。周囲のレベル感があまりに高すぎたために、徐々に辻野は

 

「やっぱり日本人のテニスプレーヤーは世界で通用しないんだ」

 

という考えにとらわれるようになり、ついにはプレーヤーとして挫折してしまった。一方、松岡の方は、日本で十分修行してから、海外の地味なトーナメントで徐々に出て「勝ち癖」をつけ、それに伴って実力アップさせていった。

 

もちろん「いきなりメジャー」という修行方法もあると思うし、センスを養うために、早い段階で自分の実力より高い「実戦」を経験することも大事だと思うが、(巨神兵ではないが!)早すぎる実戦投入は「戦死」を招いてしまう。辻野さんの場合は、これに当てはまる。

 

ただ、その辺りのさじ加減は、選手本人には分からないところもあり、指導者の采配が大事なところなのだろう。

 

また「良い指導者につくことが大事である」ことには間違いはないが、いつまでも偉大な指導者の元で修行し続けると、依存心が強くなってしまうとマイナス面の方が多くなる。

 

修行の原理原則である「守破離」にしたがって、どこかで「師匠を超える」ことを目指さないと、劣化コピーで終わってしまう。

 

師匠もそのことを知っていて、自分を超えさせようとする人が本当の一流なのだと思う。

 

余談になるが、自分に依存させ「自分がいないと何もできない」というマインドコントロールにかけるような宗教家チックな師匠を選んでしまったら、そこから「卒業」できなくなってしまう。(ビジネスの世界には結構これに当てはまる事例があるように思う。)

 


2)厳しい練習を克服するモチベーションがあった(自分のやっている競技が好きだった)

 

青学の箱根駅伝選手として歴代ベスト走者として名を馳せ、オリンピックを嘱望されていた出岐雄大さんが紹介されていたが、卒業後は早々にマラソンから引退している。その理由として

 

「走り続けるモチベーションが続かなかった」

 

と本人が語っていた。青学時代は原監督の

 

「今の自分をちょっとだけ越えるゴールを設定させる」

 

という指導法があまりに良かったために、競技にのめり込んでいたそうだが、中国電力で実業団選手になると、自分自身で走るモチベーションを維持することを求められるようになった。そこで「自分は走ることにそこまで没頭できない」ことに気づき、引退を決意したという。

 

それはそれで頂点を極めたからこそ気づくことで、「やったおけばよかった」という未練を残して現役を引退するより良かったんだろうなと思う。

 

逆に言えば、「天才は、まだその競技が自分にとって本当に面白いかどうか分からない時期に、とことんのめり込める(エンゲージメントできる)競技をたまたま選べたこと」にある種のラッキーさがあるし、そこに生まれつきの能力が合わさったということなのだと思う。

 


3)運があった(タイミングが良かった)

松井秀喜さんは番組で、現役時代に「打てなかった投手」として、星稜時代のチームメートでエースだった山口哲治さんの名前を挙げていた。山口さんはプロからドラフト指名がかからず、プロにはなれなかったが、そもそも松井はピッチャー志望で星稜に入学したそうだ。

 

ところが山口さんの方が投手としての実力は全然上で、松井は早々にピッチャーを諦めざるをえなくなり、打撃に専念するようになった。これが松井のメジャーリーガーとしてのキャリアを切り開くことに繋がった。(イチローも、高校(愛工大名電)時代に怪我で投手の夢を諦めたことが成功につながっている。偶然に一致だろうか。)

 

前述の松岡修造のライバルだった辻野隆三さんのケースでも、テニス界に野茂英雄のような先駆者がいたら、また展開は違っていたはずだ。錦織もタイミングが違えば、辻野隆三と同じ命運をたどっていたのかもしれない。

 

偉大な師匠に出会う、偉大なライバルに会う・・・何でもそうだが、これらは自分である程度コントロールできるものと、運を天に任せるしかないアンコントーラブルなものに分けられる。相手に実力があったとしても、必ずしもライバルになるかどうかは分からないからだ。

 

個人としては、コントロール可能なもの(コントローラブルなもの)に集中する血の滲むような努力をするしかないが、天才は絶妙なタイミングで両方を手にし飛躍している。

 

マネジメントや子育ての視点で考えるなら、上記の2つについて、ある程度のところまでは関与できると思う。しかしロケットでいうなら、それが2段ロケットぐらいまでの話で、最後は自分で大気圏を超えるしかない。

 

1)自己肯定感(自信)をつけるために十分な修行期間があった

2)厳しい練習を克服するモチベーションがあった

3)運があった(タイミングが良かった)

 

いづれにしても、運やツキが回ってきたときに、それを掴み取れるかは準備をしているかどうかに関わってくるのは間違いなさそうだ。

マックのエクセルで「'〇〇.xlsx'の一部の内容に問題が見つかりました。可能な限り内容を回復しますか?」と出るエラー

Mac (10.14.2 Mojave)で、オンライン購読版のMicrosoft Office 365 のエクセル(Excel  バージョン 16.20)を使っているが、保存したファイルを開くたびに、

 

「'〇〇.xlsx'の一部の内容に問題が見つかりました。可能な限り内容を回復しますか?」

 

という謎のエラーが出る。だいぶん前から起こっている現象だけど、いまだにMicrosoftからは修正されないようだ。なぜだろう。

 

検索したら、みんな困っているらしく、その答えが書いてあった。シンプルに言えば、文字入力を英数半角にして、何か文字を入力し、それを消してセーブすれば良い。

 

これぐらいのことだったら、なぜマイクロソフトはメーカとして対応しないのだろう?

自動運転に関わる「トロッコ問題」と原発のシビアアクシデントの共通点

マイケル・サンデル教授の「白熱教室」でも冒頭に出てきた「トロッコ問題」についての現代的な問いかけが、自動運転システムの開発によって、いよいよ現実化してきている。

 

まだまだ自動運転技術は、この究極の選択をしなければならない技術領域にないので保留にできるようだけど、いずれはベンサムの「功利主義」と対峙する日が来る。

 

リスクを恐れて技術開発が止まっていけないのは当たり前だし、事故が起こらないように万全の準備をするも当たり前だ。

 

しかし原発の過酷事故と同じで「絶対にそんなことは起こらない」という”神話”を思い込んでいる時に限って、シビアアクシデントが起こる。(詳しくは、国会事故調査委員会の報告書のまえがきを読むのがおすすめ)

 

http://www.mhmjapan.com/content/files/00001736/naiic_honpen2_0.pdf

 

だからその時を想定して対応策を考えておかないいけないことを、日本は学んだ。案外その時はすぐに来るのかもしれない。

 

白熱教室 - Wikipedia

Logitech (Logicool) Spotlight Presentation のエラー Mac OS 10.14.2でうまく動かない場合の解決法

使っていたキャノンのプレゼンテーションリモコンが調子が悪いので、PayPalの20%還元キャンペーンを使って、ロジテックロジクール)のスポットライト・プレゼンテーションというリモコンを新調した。 

SPOTLIGHT PRESENTATION REMOTE - GOLD

SPOTLIGHT PRESENTATION REMOTE - GOLD

 

 このリモコンは、レーザーが出るのではなく、モーションセンサーが内蔵されていて、リモコンを画面に向けると、かっこよくポイントしてくれるという優れもの。レーザーが出ないので、消費電力が著しく低いようで、三分ほどUBS-Cから充電すると、数時間使える。(これで、単4電池代が浮くのでその意味でもお得)

 

www.logicool.co.jp

さて買ったのはいいのだけど、いまいちちゃんと反応しない。この前アップデートしたMAC OS 10.14.2 (Mojave)だからいけないのかな、と思うのだけど、どうもメーカーのサポートページにも、ググっても情報が出てこない。

 

で、本日やっと同社のサポートからメールをもらって、MACのMojaveによるセキュリティポシリー画面から、手動で設定を変更しないといけないことが判明。まだ英語のサポートページしかないけど、結構困っている人が多いんじゃないかなと推測。

 

https://support.logitech.com/en_us/article/Logitech-Presentation-permission-prompts-on-macOS-Mojave

 

OSのマイナーアップデートって、付属品メーカーに通告されずに行われるケースが多いので、サポーセンターは毎回大変だなあと思う。

まだまだ迷走するスリランカ

2009年に内戦を終了させる際の捕虜虐殺や、賄賂授受を含めて中国に傾倒しすぎて批判が強まっていたラジャパクサ大統領が失脚し、同氏の実質的子分だったシリセナが現大統領になったのは2015年の話。

 

スリランカは現在、中国に対する膨大な対外債務(年利6% *日本の円借款は約1%なのでかなり高い)に苦しんでおり、歳入の95%を借金返済に充てている。当然ながら返済は難しく、南部の港を99年の契約で中国に貸し出し、実質的に軍港利用される事態に陥っている。

 

なんとなく田中角栄を彷彿とさせるラジャパクサ氏の功績は(大虐殺を含めたかなり凄惨な手で)内戦を終結させたことだが、そのカタにサラ金に手を出した形になっており、その処理に現在国全体が苦しんでいる状態にある。

 

flowone.hatenablog.com

 

反ラジャパクサの旗印の元に、2015年に民衆の期待を背負って誕生したシリセナ政権も最近はかなり迷走してきており、その対応策として、今年10月、なんとかつてのボスであり政敵、そして大統領失脚後も大物政治家として存在感を維持するラジャパクサを首相に指名するという手に出た。

 

元外交官の岡崎久彦氏によれば、中国が賄賂を使ってシリセナを買収したという話もあるが、真実は闇の中だ。

昨年7月、中国政府からスリランカ政府に対し、20 億元(約2億9000万ドル)の無償資金が提供され、シリセーナ大統領が個人的に受け取ったという噂がある。それが今回の政変劇につながった可能性は否定できない。今後とも、中国がスリランカに対し陰に陽に種々の工作を仕掛け、取り込みを図ることは、十分に予測されることである。

 

wedge.ismedia.jp

 

ただ、ここは民主主義がうまく機能し、議会はラジャパクサ氏の不信任案を2回も可決。裁判所も同氏の権限停止を命じていたにもかかわらず、ラジャパクサ氏と、不法に解任された首相が両方いるという状態がずーっと続いていた。

 

ちなみに、シリセナ氏に勝手に解任されたラニール・ウィクラマシハ氏は、私が2000年ごろスリランカに駐在していた頃から活躍する大御所政治家で、UNP党を率い、内戦当時は穏健派として、抗戦派だったチャンドリカ・クマラトゥンガ元大統領(PA党)と敵対し、LTTEタミールタイガー)と和平工作を色々としていた人物だ。

 

www.jiji.com

今回ラジャパクサが首相を辞任し、やっと騒動が収まった。これによって将来内戦が復活するような可能性はないものの、まだまだカントリーリスクが高い国である。

 

ただしリスクがあるだけチャンスもある。

 

当地はビジネスだけでなく、政治的背景もあってインド系&中国系企業を中心としたインフラの建設ラッシュだ。一昨年は、私も不動産投資のお誘いに乗って、現地を数十年ぶりにおとづれたが、大きなポテンシャルを感じた。


ちなみに第2次世界大戦後のサンフランシスコ講和会議にて、スリランカが対日賠償請求権の放棄を国連で主張しなかったら、アメリカ、ソ連等の戦勝国は、日本各地を「租借地」として実効支配していた可能性が極めて高い。だから、日本はスリランカに大きな借りがある。

 

だからこそ、、戦後吉田茂最恵国待遇をスリランカに与えたのであり、今上天皇が来訪しているのだ。

 

日本とスリランカの関係 - Wikipedia

 

いづれにしろ、スリランカは政治的にも経済的にもウォッチしていきたい国である。

システム開発:「カレーを作ること」と「カレーの材料を作ること」

かれこれ、2年ぐらいかけて、オンラインコミュニティのマネジメントシステム「フローパッド」を作っています。

 

もともと完成形のイメージは10年前にはすでにできていたのですが、実際にシステムの作り込みをしてみると一筋縄にはいきません。

 

例えば、

 

クラウドサーバーの確保、ドメインの設定、DBの設計、システムの作り込み、レスポンシブ画面の作り込み、iOSおよびAndroidアプリの作成、App Storeへのアカウント取得、申請、リジェクト対応、バックアップサーバーの追加設置などなど、想像していた以上にインフラの整備が大変です。

 

さらにプライバシーマークの取得、PHPのバージョンアップ対応やサーバーのレスポンススピードアップのためのmemcash サーバーの増設など、気づいてみたら15近くもサーバーが動いています。 

 

いろいろなパートナーの協力を得ながら、今年12月になって、やっとメジャーなパーツの作り込みが終わり、あとは管理画面の作り込みや、もともと想定していたゲーミフィケーション機能や、AI機能の実装にシフトしていけそうな動きになってきました。

 

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FlowPAD画面

この苦労は言ってみれば、有名カレー店で修行した人が、自分のこだわりカレーを追求すべく、自分でカレー店を起業したのに、家賃交渉やスタッフのシフト管理、経理仕入れ先の確保(場合によって自家栽培による野菜の栽培)、各種機材の購入、資金ぐり、などで大量の時間を取られてしまい、

 

なかなか本来やりたかった<味の探求>に時間を使えないのと同じかも知れません。

 

本来のコアコンピタンス以外のところは、サクッとアウントソーシングできれば良いのですが、なかなかそうもいきません。それだからこそ、参入障壁になって良いのもしれませんが。

 

またFacebookやらSlackなどが、無料でどんどん優れた機能を出してくるので、そことぶつからないように、差別化する舵取りもけっこう重要です。

 

ということで、今年いっぱいは、まだまだインフラの作り込みを行い、来年から本格的に展開していこうと、仕込んでおります。