先日放送された「カンブリア宮殿」を見たメモです。
ポイントをマインドマップ風にまとめました。
ざっくり5つぐらいにポイントをまとめました。
1)イノベーション=「問題発見」
2)イノベーションに抵抗はつきもの
3)兆しを見つけて足で稼ぐ
4)社内事業提案制度の肝は審査側
5)バリスタiの「見守りサービス」でイノベーション
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1)イノベーション=「問題発見」
高岡氏曰く、「顧客がまだ気づいていない問題を発見し、解決すること」こそがイノベーションとのこと。同社の「バリスタ」は、その例で、自宅で1人でコーヒーを飲むのに、手軽に素早く、そして本格的で美味しいコーヒーを飲むためのソリーションとして開発された。
発売すると、予想外にオフィス需要が喚起されたことから、さらにそこにソルーションとして「アンバサダー」制度を作ったという。マシンはタダで貸し、メンテをアンバサダーにやってもらう仕組みだ。すでにアンバサダーは35万人いるというからすごい。
(こういう予想していなかった兆しをきちんと見つけ、ビジネスモデルに落とし込むところがさすが。)
ネスカフェ アンバサダー 「香りがくれたもの」篇 2017
似たようなオフィスを狙った商品として「オフィスグリコ」がある。これはオフィスにお菓子の入ったボックスを置いておいて、お菓子をとったら自主的に100円を入れる仕組み。
似ているのは、ユーザーが使った分だけ自主的にお金を支払う点。信頼関係で成り立つオフィスだからワークする仕組みと言えます。(田舎に道路脇によくある「青空市場」でも同じようなビジネスモデルがワークしています)
ちなみにアンバサダーは無報酬ですが、なんでやりたい人が多いかと言えば「感謝される」という内発的動機に基づくようです。
確かにお金が発生すると、外発的動機の側面が強くなりますし、会社としても導入のハードルが高くなりそうなので、無償のアンバサダー制度はうまいなと思います。
2)イノベーションに抵抗はつきもの
ネスカフェは「レギュラーソリュブルコーヒー」という製法で作られており、これまでのインスタントコーヒーとは製法が異なるとのこと。しかし、この製法を開発したばかりの頃は、同社はインスタントコーヒー協会の理事だったそうで、「インスタントを否定するのか」とかなりの抵抗にあったそうです。
しかし「顧客にベストなものを提供する」という理念から、インスタントをやめるという意思決定を行ったそうです。
3)兆しを見つけて足で稼ぐ
キットカットが近年ブレークするきっかけになったのが、受験関係のプロモーション。九州あたりで「きっと勝とう」という語呂でキットカットを送るのが流行っていたのを知って、大々的にプロモーションをかけたそうです。しかし最初の数年は鳴かず飛ばずで、社長自らホテルにドサ廻り営業をしたそうです。やっぱり、足で稼ぐって大事。
4)社内事業提案制度の肝は審査側
同社では社内事業提案制度「イノベーションアワード」を設けており、毎年4000以上の応募があるとのこと。そこへの参加が評価制度にも組み込まれているそうです。
とくに私が面白いと思ったのは、制度運用で重要なのは「いいアイデアを潰さないこと」という指摘。
出てきたアイデアを役員が上から批判するのではなく、チャンスのタネを見つける眼力や、原石を磨き上げる心構えが必要であると、繰り返しおっしゃっていました。
この辺りは「組織成長の4段階目の壁」を彷彿とさせます。
コンテストに出す方も、アイデアがちゃんと審査されることが分かれば、気合が入りますよね。(私の経験上も、多くの会社で新規事業コンテストが盛り上がらない理由は、審査側にあるように思えます。)
ちなみキットカットショコラトリーなどはイノベーションアワードから生まれた好例。
mainichi.jp
5)バリスタiの「見守りサービス」でイノベーション
ネスレ日本では、LINE、SONYなどと組んで、音声認識でバリスタマシンが起動したり、マシンを使ったら、それが家族や登録された人に通知される「バリスタi」を実証実験している模様が映し出されていました。
nestle.jp
象印のポットも同じような「見守りサービス」を展開していますが、シニア層が増える日本で流行るかもしれませんね。
www.mimamori.net
もしくは、Amazon Axela かGooge HOMEが、この音声認識プラットフォームのところを握って、各社とアライアンスを組んだマシンが次々登場するかもしれません。
さて、ざっくり気づいたポイントを書いてみましたが、まだまだ見落としている箇所は多そうです。それぐらい内容があるってことですね。