大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

一旦効率が落ちるのを覚悟する(ノコギリの刃を研ぐ)

猛烈に仕事をしていると、人に自分の仕事の全体像を説明する時間がない。

したがって、新しく部下が入ってきても、自分がこなしきれない作業を、パーツ単位でその部下にお願いすることになる。

 

しかし、全体像が見えず部分的に降ってきた仕事は、部下にとって「丸投げ」か、「作業(仕事ではない」)以外の何者でもない。

中長期的に働くことが前提にして、

 

OJTだ」

「背中を見せて学べ」(率先垂範)

 「暗黙知の共有だ」

 

とばかり仕事の上達を部下の学習能力に委ねることもできるが、近年はそうも言っていられない。(もちろん、相手がそれなりに経験者で、自分で自分の仕事の先回り回りして全体像を把握できるなら別だが、それは甘い考えだ。

 

仕事をチームとして行うなら、一旦自分が抱えている仕事の効率が落ちることを受け入れて、全体像を説明する以外の方法はない。

 

ベストセラー「7つの習慣」の「刃を研ぐ」章で、こんな話が出てくる。

 

森の中で木を倒そうと、一生懸命ノコギリをひいているきこりに出会ったとしよう。
「何をしているんですか」とあなたは訊く。
すると「見れば分かるだろう」と、無愛想な返事が返ってくる。「この木を倒そうとしているんだ」
「すごく疲れているようですが...。いつからやっているんですか」あなたは大声で尋ねる。
「かれこれもう五時間だ。くたくださ。大変な作業だよ」
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか。そうすれば仕事がもっと早く片付くと思いますけど」あなたはアドバイスをする。
「刃を研いでいる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ」と強く言い返す。

目先の作業に囚われて、仕事の全体像を説明しないマネージャーは、この木こりと同じ状態に陥っているのかも知れない。(自分の過去を深く反省)

 

そして仕事の全体像とは、Why-How-Whatに分解される。この点については、

 

ぜひサイモン・シネックのリーダーシップに関するビデオを見てほしい。

www.ted.com

 

▼このコラムもとっても参考になります

ひとりでやりすぎる人は結果的に人をつぶすという実際の話。 | Be & Do Inc

 

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

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