大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

破壊的イノベーションが「起きない理由」と組織成長マネジメント

言わずと知れた「イノベーションのジレンマ」のクリステンセンの講演録ですが、組織マネジメントの観点から面白い示唆が含まれています。

 

bizzine.jp


この講演録でクリステンセン氏は、イノベーションのタイプを

 

1)「破壊的(disruptive)イノベーション
2)「持続的(sustaining)イノベーション
3)「効率化(efficiency)イノベーション

 

に分類しています。


3の「効率化(efficiency)イノベーション」はちょっと新しい概念なので記事を読んで見ると、

 

「より少ないリソースでより多くの製品を作ることを目的とする
(のが)効率化イノベーション。(中略)効率化イノベーションはその特性として、雇用を減少させ、フリーキャッシュフローを増やす。」

とあります。「持続的(sustaining)イノベーション」よりも、投資効率に着目した概念なんですね。


そしてクリステンセンが言わんとしているキーポイントは、

 

ファイナンス主導で経営を行うと「破壊的(disruptive)イノベーション」には投資できなくなくなる」

  

つまり、企業規模が大きくなると、どうしても投資効率重視の経営姿勢になるため、投資効率の悪い「破壊的(disruptive)イノベーションは避けられてしまうのですね。

 

そしてイノベーションのジレンマ状態にズブズブはまってしまうというわけです。

 

まさに、これは成長段階説で有名なグレイナー教授のいう「第4段階」の現象として解説しているものと同じです。

 

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