大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

新しい問題解決法(問題解決2.0とは)【大人の学ぶ技術】

こんにちは。
フローワンの若林です。かなり久々のメルマガです(^^;)

先週土曜日は、首都大学東京公開講座

「新しい問題解決法」

についてクラスを開催しました。

www.ou.tmu.ac.jp


内容は論点を細かく分解していく従来の
「ピラミッドストラクチャー型」の問題解決法に加え、

「原因」と「結果」という因果関係をベースに
問題を解決していくシステム思考型を融合させて、
両者のいいとこ取りをした

「ハイブリッド型問題解決」

を身につけようというもの。


楠木建先生(一橋大)の
「ストーリーとして経営戦略」(2010)をはじめ、
ストーリー(=因果関係)がマネジメントの
現場において極めて重要だという認識は、
ここ5−6年で一気に常識化している感じがします。


▼「ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件」
 

www.amazon.co.jp


ただいまさら言われなくても、
昔からできる人は頭の中で自然にこれをやってきた訳で、
単に誰でも使えるようにフレームワーク化される機会が
あまりなかったという感じです。

それを、本メルマガでも何度となく紹介している
TOC(制約理論)型の「システム思考」をベースに
従来型のピラミッド構造型問題解決と融合した形です。

少なくとも、一般に教えられている問題解決系の研修や
講座は90%がピラミッドやそれに付随するMECEだけ
ですのでこれまでにはない

「次世代の問題解決」「問題解決2.0」

的な斬新な内容にできたかなと思います!
もちろん課題も見つかり、どんどんブラッシュアップする予定です。
(続きは後述)

ーーーーー

また、対話型ディスカッションシステム「フローパッド」の
プッシュ通知専用アプリのApple審査対応をここ1ヶ月
ぐらい、ずーっとやっています。

www.f-pad.com


Androidアプリは7月にすでにリリースしており、同時に
iOS版をアップルに申請していたのですが、
なんと今年6月から審査が変わったというオチでした。

AppleiOSアプリを6月1日から「IPv6サポート必須」に

www.itmedia.co.jp


IPv6は、
現在デフォルトで使われているIPアドレス形式(IPv4)が
足りなくなってきたこと、

また今後IoT系のデバイスが爆発的に増えるので、IPアドレス
枯渇することを見込んで、多くのIPアドレスを作成できるよう
にした新方式です。

まだほとんど世の中に普及していないのですが、アップルは
早々とその方式を採用し、アプリ作成会社にも強制すること
にした訳です。

長期的には良いことなんですが、
こちらは技術的ハードルが上がって一苦労です。


▼今号の内容
ーシステム思考への道のり
ー気になる記事

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 ■システム思考への道のり
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冒頭でご紹介したシステム思考型の問題解決ですが、
これは特に新しいものではありません。

例えば、大前研一「企業参謀」で著者は、戦略とは目的に応じて
経営資源を再構成する(シンセサイズする)と語っており、
まさにこれはシステム思考的なニュアンスのする考え方と言えます。

企業参謀が日本で爆発的にヒットしたので、その後、加筆増補して
英語で出版された「The Mind of Strategist」(その逆輸入翻訳版が
「ストラテジックマインド」)でも、直感やシステム思考的な
話がちょくちょく出てきます。

ただバーバラ・ミントさんを起源とするピラミッド構造
(Pyramid Principles)がよっぽど企業受けが良かったのか、
ストラテジックマインドよりも圧倒的に企業参謀が売れたからなのか、
その後システム思考的なフレームはあまり語られていません。

近年「企業参謀ノート」という入門書も出ていますが、
システム思考的な観点からは
個人的には「ストラテッジマインド」をお勧めします。
(原著は古いですが新装版も出てます。)

少し横道にそれましたが、

システム思考的なフレームワークの必要性や、
ピラミッド構造の限界は、

バリバリのピラミッド構造型問題解決を生業にしてきた
マッキンゼーで東京支社長を務めた横山禎徳さんなども、
退職後に著書で指摘しています。

▼「循環思考」(2012)

www.amazon.co.jp


いずれにしろ、新しいフロンティアを切り拓きたいなと思っています。

☆続きは次回!

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 ■ 気になる記事
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ビッグデータが教育に革命を起こす!?
 岡山大学寺澤孝文氏が語るeラーニングの可能性

app-review.jp


 地元岡大でベネッセとEラーニングの実証実験を推進されている
 寺澤教授についての記事。

 原田さん以降、どうも不調な感じのするベネッセですが、
 こういうのを読むと、割と将来は明るいのかも知れないと
 希望を感じます。


鈴木敏文氏が語る、GMSの衰退に歯止めがかからない理由

  

diamond.jp



 退任時になんとなく晩生を汚したような形になった鈴木さんの
 コラム。読むと、やっぱり名経営者だっだんだということが
 よく分かります。

 ↓引用
  「売り場には大きさの異なる13枚のワイシャツを
  1セットにして、それを1ロットとして届けられます。
  そうすると標準的なサイズは、真っ先に売れてなくなります」

 これは、時代の変化に対応していない象徴的な例である。
  一番よく売れる標準的なサイズが欠品となり、売れないサイズが
  棚を占めている。これにメーカーも問屋も小売りの現場でも誰も
  疑問を感じない。そもそも「1ロット13枚」という、なんの
  根拠もない納品形態に、なぜ誰も疑問を感じないのか。


 *こういう問題を解くにはSKU(Stock Keeping Unit、
  この場合13枚で1セット)をばらし、ボトルネックを潰して
  リードタイムを極限まで短くし、消費者の動きに機敏に対応する
  体制を作ることしかありません。


 ◇若い社員に仕事を振ると「なぜですか?」と逆質問される:人はなぜイラッとくるのか?

 

bylines.news.yahoo.co.jp



 東大の社会人教育研究の第一人者、中原先生のコラム。
 そうだよなあ、と思わず膝を叩いてしまいます。


◇新幹線清掃「ハーバード経営大学院」の必修教材に(毎日新聞
 

http://mainichi.jp/articles/20160902/k00/00m/020/121000c



 研修でよく使うテッセイのケースがハーバードの必須教材に
 なったそうです。「従業員に誇りを持たせる」という改革が
 感動的です!


◇「なぜなぜ期」の幼児が知りたいのは原因ではなく目的!
 子どもの能力を高める対応術

 こちらはちょっとだけ目からウロコのコラム。
 なるほどなあーと思います。

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【編集後記】
 問題解決手法を含めたコンサル業界の進化に関するざっくりとした
 振り返りは松岡正剛(セイゴー先生)のコラムがオススメ。
 

1560夜『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』カレン・フェラン|松岡正剛の千夜千冊