大人の考える技術

若林計志が経営・MBAのフレームワークやマネジメント理論を応用しながら、ビジネス・社会問題を考察します

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ウルトラファストファッションは後出しジャンケンで勝つ

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ここ数ヶ月で、身の回りでちらほらと名前を聞くようになった 「シーイン(Shein)」 のアンテナショップ@表参道に行ってきた。(マイルールとして、面白そうなものやサービスを違う人やソースから3回聞いたら、手を動かして調べてみることにしているので。) …

手段が先か、目的が先か? エフェクチュエーションとコーゼーション

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経営学界隈で、ここ数年「エフェクチュエーション」という言葉をよく聞くようになりました(初出はもっと古いのですが)。 「手段」と「目的」の関係でいうと、エフェクチュエーションが主張するのは「優れた起業家は「手段」からスタートする」という逆転の…

「作業するだけで給料をもらえると思うのは大間違い」発言から考える”レベル別仕事の任せ方”(なぜサラリーマンは「手段」に発想が偏りがちになるのか)

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最近なかなか考えさせられるニュースがありました。 いきなりステーキ社長、従業員に喝 「作業するだけで給料をもらえると思うのは大間違い」2022年01月27日17時21分 この記事は、ペッパーフードサービスの代表取締役社長CEO・一瀬邦夫氏が社員向けメッセー…

PDCAを活用しようとして誰もが陥る甘い罠

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PDCAは改善の基本だけど「”CA”を中心にマネジメントをやって、社員のモチベーションを下げ、組織を悪くしているマネージャーが多い」というマツダ元会長 金井誠太氏の指摘が鋭すぎる。(この動画は必見) youtu.be 実は僕自身もこのCAマネジメントの罠に一時…

「残念な名言集」で偉人の素の姿を見る

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最近入手した「残念な名言集」というという本がなかなか味わい深い。 古今東西のいわゆる偉人が、思わず吐いた弱音を名言として収録しているのだけど、人間っぽくてとてもいい。 経済学の巨人、マルクスがプライベートの金銭感覚はダメダメで「妻は毎日、子…

思考の垢を落とす(エキスパートの新しいアイデアへの対応力)

「アパレルの大量生産・大量廃棄問題の解決案」に関するイベントに関わっているのだけど、この業界は年間25億枚の新品が生産され、予測が外れて10億枚が廃棄されるというなかなか激しい業界。それを他業種でプラクティスを転用して解決策を検討しようと…

「できない理由を言うな」ではなく、できない理由をブレークスルーに活用する

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何か新しいことをやろうとすると「それは無理だ」「難しい」「時期尚早だ」「リスクがあるのでは」と、(骨髄反射的に)すぐに反対する人っていませんか? そんなとき、どんなリアクションをすれば良いのでしょうか? 筆者はネガティヴ思考の人が大嫌いなの…

WebEXからスピンオーバーしたZOOMが生き残れた訳は?

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最近使用頻度が一気に増えたZOOMの創業者はCISCO WebEXのプロジェクトメンバー(Vice President)だったと初めて知った。CISCOは普通にいい会社だと思うけど、41歳でWebEXをやめてまで、ZOOMで実現したいことがあったのだろう。 WebEXはWebEXで今でも健在だ…

手のひら返しの意思決定(オリンピック延期議論を巡って)

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日本の組織のおける典型的な意思決定の方法について、オリンピックは貴重なケーススタディになりそうなので、記録しておきたい。 3月12日の時点で、森会長が率いる「2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会」では、延期の(可能性の)議論すら許され…

二流は後ろから撃たれる

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米海兵隊の教訓に 「二流は後ろから撃たれる」 という言葉あるそうだ。戦場では自分の命がかかっているから、人間のエゴが剥き出しになる。したがって、よほどしっかりした信頼関係を構築しない限り、 自分が助かりたい一心で、味方を背後から撃ったり、味方…

担がれるリーダーシップ

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心屋仁之助(じん)さん×永松茂久さんの対談が面白かったのでメモ。 テーマはズバリ「リーダーシップ」。 だけどちょっと切り口が違う。じんさんの説明は感じ。 一人で頑張りすぎるリーダーには「リーダーというものは人を引っ張っていかなければならない」…

かんぽ生命のKPI設定ミスとマネジメントコントロール

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「Result Control」におけるKPIの設定ミス(?)によって、Gamesmanship(数字だけを追うゲームが発生して暴走すること)が発生した典型的な事例だと思う。 現場の人は良心の呵責とノルマの間で苦悩しただろうと思う。KPIを「契約後の顧客満足度」等に設定し…

問題解決法の進化(「分解」だけのロジカルシンキングから「つながり(再構成)」のロジカルシンキングへ)

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記事のPOINTS:① ものごとをバラバラに分解する手法は、問題解決法の一部に過ぎない。② 因果関係を無視して問題解決はできない。③ 「分析」と「つながり」をベースに、創造的な解決策を作る必要がある。 「ロジックツリー」「MECE」「Fact-Base」などの言葉…

守破離のステップで学ぶ:思考の体幹トレーニング

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スキル=行動フレームワーク 考え方=思考フレームワーク 哲学=精神フレームワーク 分類して自分のレベルをアップする方法を考えると良い。 スポーツだと、 スキル=テクニック 哲学=体幹トレーニング とも言える。 「守破離のステップで精神のフレームワ…

日本人はリーダーがお嫌い?(世界価値観調査)

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オランダで始まり、ミシガン大学がリードしている「世界価値観調査(World Values Survey)」という世界レベルの学術調査がある。 これに面白い質問項目があって、 「リーダー(Authorityなので権力者でも良い)が、より尊敬される社会になることは良いと思い…

イノベーションを生み出す交渉術

イノベーションの重要性が叫ばれて久しい。あらゆる市場がレッドオーシャンに染まり、利益を出すのが難しくなっている市場で、新しいバリューを訴求して、ブルーオーシャンで戦いたい、という思いはどこでも同じだろう。 しかし(当たり前だが)企業の業績を…

操作的思考とTOCクラウド

ロジカルシンキング(論理思考)と呼ばれるものは、下記の2つに大別される。 「具体的操作」 「形式的操作」 である。発達心理学者のピアジェは人間の思考成長は5段階で進むと提唱した。 1段階目:感覚運動期(0~2歳)2段階目:前操作期(2~7歳)3段階目:…

後発サービスが勝つ条件とは?

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ここ数年考えているテーマに「後発サービスが、先行サービスに勝つにはどのような条件が必要か」がある。 通常は、市場に早くサービスや商品を投入した方が有利に働く場合が多い。Walkman などはその典型で、商品名自体が新しいカテゴリー(Blue Ocean)を作…

サービスの比較対象を設定する(オンライン授業を高く売るには)

キングコング西野さんが箱根駅伝について面白い議論を展開している。その主張の骨子は、箱根駅伝が面白くない理由は、視聴者が「ランナー」と「ランナーの前を走っている白バイ」のスピードを無意識に比較してしまうからというもの。 つまり、涼しい顔で白バ…

結局、ご飯を食べさせるリーダーに人はついていく

ラジャパクサ前大統領時代の異常な中国傾斜から脱却したと思っていたスリランカ。2月の地方選挙で、前大統領派が勝ち、先が見えなくなった。 「理想」と「ご飯」を天秤にかけると、多くの人はご飯を食べさせてくれる親方(リーダー)になびく。何か違うと思…

ガンバリズムからマネジメントコントロールへ

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守島先生のコラム。深い。 business.nikkeibp.co.jp ユニクロもそうだけど、現場のガンバリズムに過度に依存しない「仕組み」としてのマネジメントコントロールがこれからの日本に必要とされているんだと思う。 「欧米は職務主義ですから、各人の業務範囲が…

カフェの回転率を上げる質問はないか?

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パン屋がやっているカフェ。奥のカウンター席が混み合っていてまったく座れない。 その一方、2人がけテーブルをくっつけた4人席が4つあり、4名席を一人で占拠しているシングルのおじさん(おそらく65歳以上)が各2名、同じくおばあさん1名、そして2…

BMGでビジネスモデルを作る時の要チェックポイント

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某社でビジネスモデルジェネレーションの英語2日間研修を担当したのですが、海外参加者からの質問で一番面白かったのが 「なんでビジネスモデルキャンバスなんてものを使うんですか。別にチェックリストでいいんじゃないですか?」 という質問。こういう本…

「ほぼ日」が雑談を重視するのは経営戦略。そのまま真似しても成功しない

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業種にもよりますが、「イノベーション」や「おもてなし」を提供価値をメインにしている会社は、意図的に知の交配が起こりやすい環境をつくっています。 かつてのソニーに、社員が終業後に集まって勝手に製品のプトトタイプを作れる場があったり、Apple, Goo…

ユナイテッド航空事件に見る社内にうごめく3つの力

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ユナイテッド航空の引きずり下ろし事件が膨大な賠償金で和解したようだが、これは社内の3つの力(「効率性」「イノベーション」「おもてなし」)のバランスのとり方に失敗してしまった分かりやすい事例と言える。 www.bbc.com ご存知の通り、多くのエアライ…

成長率11倍!ボトルネックで読み解くvユニクロの減速とGUの快進撃

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何かといつも立ち寄ってしまうユニクロですが、 2016年度の決算(決算期:2016年8月)は、増収減益でした。 ▼Yahoo! ファイナンス:(株)ファーストリテイリング profile.yahoo.co.jp 特に国内の成長率は対前期比3%で成長が鈍化し、純利益は半減とのこと。5…

モチベーションが上がる評価制度をつくるのは可能か?

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突然ですが、みなさんは人事評価(人事考課)でモチベーションが上がったことはありますか? 残念ながら私にはほとんどそんな経験はありません。(むしろその逆でした) そこで大変革期を迎えつつある「人事評価システム」の潮流について少し調べてみました…

破壊的イノベーションが「起きない理由」と組織成長マネジメント

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言わずと知れた「イノベーションのジレンマ」のクリステンセンの講演録ですが、組織マネジメントの観点から面白い示唆が含まれています。 bizzine.jp この講演録でクリステンセン氏は、イノベーションのタイプを 1)「破壊的(disruptive)イノベーション」…

ビジネスチャンスの見つけ方の定石

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雑誌やコラムで「ビジネスチャンスの見つけ方」がいろいろ語られる のですが、要約してみると下記の3ステップになります。 1)お客さんはどんな問題を持っているか2)その市場がどのぐらい存在しているか3)自分にその問題を解決できるソルーションはあ…

仕事で助けているのは「過去の自分」(モチベーションの源泉はどこにあるか)

昨晩は東北最大の震災ボランティアプロジェクトを運営された西條先生@早大と、先日「NHKプロフェッショナル」に出演されていたソーシャル投資の新井和宏@鎌倉投信の講演会に参加した。 「社会貢献活動と収益事業のバランス」 についていろいろ考えさせられ…