Open Questionで相手のニーズを聞き出すのは結構ハードルが高い。したがって、まずは情報を当ててみて、そこから芋づる式にニーズを探り当てたほうがよいということがわかる。
「『わたしに何でも聞いてください』とチャットボットに問いかけられても、ユーザーは何を聞いていいのか分からない。でも『こちらの商品が新しく発売になりました。青と赤ではどちらの色がお好みですか?』と聞かれれば、より答えやすい。そうしてユーザーの選択を支援してあげれば、ユーザーはより買いやすくなるみたいなんです」。
Open Questionで相手のニーズを聞き出すのは結構ハードルが高い。したがって、まずは情報を当ててみて、そこから芋づる式にニーズを探り当てたほうがよいということがわかる。
「『わたしに何でも聞いてください』とチャットボットに問いかけられても、ユーザーは何を聞いていいのか分からない。でも『こちらの商品が新しく発売になりました。青と赤ではどちらの色がお好みですか?』と聞かれれば、より答えやすい。そうしてユーザーの選択を支援してあげれば、ユーザーはより買いやすくなるみたいなんです」。
AmazonGOが巷で話題ですが、コンビニやファストフード店でボトルネックになってきているのは人材確保とコストですから、無人化の方向に行くのは不可避です。
どうしても人の接客に対するニーズが高ければ、ホログラフィーで3D的に写すとか、そういう方向にいきます。まずは秋葉原とかで先行して。
すでに人間と機械のハイブリットレジはローソンやイオンとかで稼働していますし、全て機械化するのは時間の問題と言えるでしょう。
マネジメントコントロール的に言うならば、Action Control(行動コントロール)できる仕事は作業が「標準化」できると言うことを意味しており、いずれはアウトソースされたり、AIで機械化される運命にあることを示しています。
さらにマシンならば24時間稼働させ続けてもコストが平準化でき、その上代替もききます。したがって、こちらに方向に行かない理由がありません。
もう少し考察すると、そもそもサービス業は本質的に3つの方向(効率至上主義・おもてなし・イノベーション)に特化する運命にあります。
これまでコンビニやファストフードは「効率至上主義」の代表格でしたが、AIの発展で今後「効率」に「おもてなし」が追加されます。
つまり、下手なバイトさんよりも、AIをベースにしたロボットの接客により、人間よりもおもてなしが実現されてしまうと言うことです。アマゾンのリコメンデーションシステムのリアル発展版みたいな感じになるでしょう。
ーー
おまけ
その後は、より人間的な接客をロボットにさせようとして人間の記憶をロボットに埋め込むことでロボットが人格を持ち、ある日人間に対して反乱を起こす。。。というのが名画「ブレードランナー」の世界です。
相手に「商品」を売るのがマーケティング、「アイデア」を売る(受け入れてもらう)のが交渉術
と考えれば、マーケティングと交渉術で使えるスキルやコンセプトはかなり共通するものがあるのがわかる。
たとえば、マーケッターの神田昌典さんが世に広めた
というマーケティングスキルがある。これはお客さんがモノやサービスを購入してから21日以内に3回フォローアップせよというものだ。
そしてその3回のコンタクトの中で「あなたの決断がいかに賢かったか」を繰り返し伝える。
なぜか?
それは、お客さんが多かれ少なかれ、自分の行った決断に不安を抱いているから。
何かを選ぶという行為というは、膨大にあった他の選択を放棄するということに他ならない。だから、「そんな重大な決断をしてしまって大丈夫だったのか」という極端な不安が、平均的に21日ぐらいは続く。
交渉術用語でいうと「BATNA(Best Alternative to A Negotiated Agreement」、つまり保険としてのセカンドオプションを放棄して、何かひとつにコミットすることは不安を伴う。
当然この期間はクーリングオフも多い。(カッコよくいうならPNR=Point of No Returnの間は、キャンセル確率が高い。)
結婚で例えるなら「マレッジブルー」の状態と同じだ。リクルートゼクシィのアンケート調査によると、女性の76%は、「本当にこの人でよかったのか」という思いから、結婚前に不安感に陥ってしまう。(割合は減るけど、おそらく男性も同じだろう。)
だからこの期間に「この決断でよかったのだ」というメッセージを送り続けないと、婚約は「クーリングオフ」されてしまうかもしれないし、昔の用語だと「成田離婚」になってしまう。
逆にここで信頼感を勝ち取れば、マーケティングで言えばリピーターを増やすことにつながり、結婚で言えば夫婦生活の最初の関門をくぐったことになる。
また決断をする側の人は「リアリティショック」(理想と現実のギャップ)が起こることを前提として、意図的に期待値を下げておいた方が良い場合もある。
まあ、考え過ぎても決断できないので、時の流れに身を任せた方がいいこともあるが、できるならリスクは積極的にコントロールしたいところ。そうでなければ、メインの選択肢(Best Choice)さえ失ってしまうこともあり得る。
何かといつも立ち寄ってしまうユニクロですが、
2016年度の決算(決算期:2016年8月)は、増収減益でした。
▼Yahoo! ファイナンス:(株)ファーストリテイリング
特に国内の成長率は対前期比3%で成長が鈍化し、純利益は半減とのこと。50%減はさすがに大きいですね。
このニュースに関して、百式コンサルの鈴木さんが面白いコラムを
書かれています。
▼ジーユーが兄貴分のユニクロをたぶん追い抜く理由
鈴木貴博 [百年コンサルティング代表]
ポイントは若者向けのハイファッションである「GU(ジーユー)」
の成長率にフォーカスしている点。
メインの国内ユニクロの3%増に比べ、GUの営業利益の伸び率
は33%。もちろん売上規模は、まだファーストリテイリングの
全売上の1/10程度ですが、伸び率は11倍なんですね。
GUを率いる柚木さんには、2002年ごろにMBAの勉強会でお会いしたのをよく覚えています。
当時は、ユニクロが新規事業として始めた有機野菜会社(FRフーズ)の社長という肩書きで講演をお聞きしたのですが、実家が八百屋さんとのことで、
野菜商売に関する知見や思い入れ(気合い)を感じました。
その後、永田農法を売りしたユニクロ野菜事業が26億円の赤字を出してこけてしまい、早々に店じまいしてしまったので、
「柚木さんどうなったんだろうなあ」
と思っていました。
その後のインタビュー記事で柳井社長から
「柚木君、会社辞めようなんて思ってないよね。損失分のお金はきっちり返してね」
と言われたそうで、当時苦戦していたGUの経営に参画されています。
▼「ユニクロにはできなかったことを」を掲げたジーユーの改革
ジーユー代表取締役社長 柚木 治氏
一度ミソのついた柚木さんをアサインする柳生さんもすごいなと思いますが、GUはそれから快進撃で成長します。
当時はユニクロが「ユニクロプラス」とか、様々なブランド戦略を打ち出していた頃で、MBAクラスで
「”ユニクロの廉価版”GUをどういうポジショニングにするべきか」
なんて議論が盛んに行われていました。
「ユニクロがGUなんていう質の劣るブランドを運営するとマイナスのインパクトが大きい」
といった意見も当時多かったのですが、今になって、GUがユニクロ本体の救世主になるかも知れないと言われているのですから面白いものです。
さて、ここからがポイントなのですが、上記のコラムでで鈴木さんが
こんなことをおっしゃっています。
「残念なことに、ユニクロの商品は品質がいい。4~5年は着ないと 形が崩れてこない。だからユニクロの定番商品の売上は、その地域に店舗が根を下ろして10年くらいすると頭打ちになってくる。」
これ、確かにその通りです。
で、これを消費者の購買行動をプロセス分解してみると、GUのビジネスモデルが「ボトルネック」をうまく解消しているのがわかります。
ボトルネックと何かと言うと、全体のフローの中で流れが悪くなっている箇所のことです。
例えばA,B,Cの3つの工程があるフローの全体効率は最も効率が悪いボトルネックの効率性に制約されてしまう。
仮にCの効率が、3個/日だとすると、AやBが50個/日だとしても、このフロー全体の1日あたりの効率は3個/日です。
だからこの3個/日(=専門的にはスループットといいます)を改善するには、Cに集中する必要があるわけです。そして、多くのBtoCビジネスでボトルネックになっているのが、「消費者のクローゼット」なんです。
つまり
「欲しいけど、もうクローゼットに入らない」
という状態を指します。
▼タンスの「不良在庫」? 消費者のボトルネックを解消する
GUやH&M, ZARAなどのハイファッションブランドの何が強いかというと、
「古くする=来年ダサくする」
ことで、クローゼットの在庫を処分させることなんですね。
(ベーシックカジュアルのユニクロにはできない技です)
それが「エコ」というとエコじゃないのですが、商売としてはやはり上手いと思います。
ユニクロ本体も、なにか消費者のクローゼットというボトルネックを
解消するエコなモデルを作れるとすると、次なる成長のきっかけが掴める
かも知れませんし、陳腐化戦略はGUに任せておくという手もあります。
「選択と集中」
なんていいますが、当時かなりやばいと言われていた
GUが化けるんですから、下手に集中しすぎるのも良くないかも
知れません。
恥ずかしながら、私はGUに行かないし、多少ネガディブでしたが、そもそもターゲットが10ー20代なんですから、私が行かないこと自体がブランドとして成功している証しなんでしょうね。
突然ですが、みなさんは人事評価(人事考課)でモチベーションが上がったことはありますか?
残念ながら私にはほとんどそんな経験はありません。(むしろその逆でした)
そこで大変革期を迎えつつある「人事評価システム」の潮流について少し調べてみました。
評価されるたびに、評価する人もされる人もモチベーションが上がって成長できる。そんな制度が理想ですが、多くの会社では毎年膨大な時間をかけて人事考課の面接をするたび、社員のモチベーションを下げているのが実際です。
ただ、シリコンバレーの企業やGEはそんな問題を克服する新しい評価システムを作り出すべく動いています。
さらに以前ご紹介した通り、ICTの進化で評価制度と、社員をパワーアップさせる社内教育システムは切っても切れない関係になりつつあります。
さて、今後評価制度はどう進化していくのでしょうか?
■ KPI, KGI, OKR(評価指標の進化)
シリコバレー系の名だたるIT企業(Google, Linkedin, Adobeなど)で、新しい評価制度として、
「OKR (Objectives and Key Results)」
が使われており、成果を上げているようです。(Googleは1999年から採用)
「それって何なの?」
ということで、調べて見たのですが、どの解説もいまいち。
KPIとOKRの違いがよく分かりません。
(多分書かれている本人もわかっていないのは、、、。)
また「KGI」(=Key Goal Indicator)というワードも出てくるのですが、こちらもKPIとほとんど同じ説明が書いてあるものばかり。
もともとマネジメントコントロールから出てきた概念なので、「結果コントロール(Result Control)」に分類される
「BSC(Balanced Score Card)」
のアップデート版だろうと推測しているのですが、まだまだ実態は不明です。
日本語の解説サイトはどれもイマイチ頼りないので本家の英語のサイトをサーチするといろいろな情報が出てきます。
ちなみにOKRを実際に採用しているLinkedINのホームページには下記のような説明があります。
https://www.linkedin.com/pulse/employee-performance-mbo-vs-kpi-okr-belal
OKR is a goal setting approach that is increasingly popular at high growth companies and replacing MBOs as a philosophy.
Objectives are what you and your organization want to accomplish. Key Results describe how you will accomplish those objectives, and measure whether they were successfully accomplished.
Example for OKR (Objective & Key results)
Objective:
To develop a workable model for planningKey results:
Finishing presentation on time
Completing a sample set of 3 Month for objective & key results.
うーん、やはりKPIにブレークダウンしたObjectiveがくっついていると
しか思えません。そのObjectiveもMBOとの違いがよく分かりませんね。
動画で「Google OKR Implementation」という実際にOKRの
運用している方のプレゼン映像があります。
私にはまだはっきりした違いは見えませんが、キーになるのは、
1)Objetivesをブレークダウンすることを明示的に入れている点
2)それを社員全体に共有する点
3)Key Resultsは70%程度が達成できるようにかなりストレッチして設定する点
のようです。
その他、マネジメントで世界最先端を走るGEが人事評価制度を刷新するという話もあります。
(引用)
GE社は、2016年度より、下記のように人事評価を改める。
(1)No Rating(レイティングの廃止)
(2)No Curve(正規分布の廃止)
ポイントは「評価のための評価」ではなく、より現場が成果を上げられるように進化させようとしている点です。
たしかに他人に「A」とか「B」とかスコアをつけられたくないですよね。
またスコアを無理やり正規分布にする必要も本来ないはずです。当たり前といえば当たり前ですが、それを実際にできる点がGEの強さなんですね。
余談ですが昔MBAのマネジメントに関わっていた時に、海外の大学スタッフと「絶対評価」と「相対評価」の哲学の違いで延々とディベートしたのを思い出します)
以上、人事評価制度の進化について少し考察しました。
言わずと知れた「イノベーションのジレンマ」のクリステンセンの講演録ですが、組織マネジメントの観点から面白い示唆が含まれています。
この講演録でクリステンセン氏は、イノベーションのタイプを
1)「破壊的(disruptive)イノベーション」
2)「持続的(sustaining)イノベーション」
3)「効率化(efficiency)イノベーション」
に分類しています。
3の「効率化(efficiency)イノベーション」はちょっと新しい概念なので記事を読んで見ると、
「より少ないリソースでより多くの製品を作ることを目的とする
(のが)効率化イノベーション。(中略)効率化イノベーションはその特性として、雇用を減少させ、フリーキャッシュフローを増やす。」
とあります。「持続的(sustaining)イノベーション」よりも、投資効率に着目した概念なんですね。
そしてクリステンセンが言わんとしているキーポイントは、
「ファイナンス主導で経営を行うと「破壊的(disruptive)イノベーション」には投資できなくなくなる」
つまり、企業規模が大きくなると、どうしても投資効率重視の経営姿勢になるため、投資効率の悪い「破壊的(disruptive)イノベーション」は避けられてしまうのですね。
そしてイノベーションのジレンマ状態にズブズブはまってしまうというわけです。
まさに、これは成長段階説で有名なグレイナー教授のいう「第4段階」の現象として解説しているものと同じです。
雑誌やコラムで「ビジネスチャンスの見つけ方」がいろいろ語られる
のですが、要約してみると下記の3ステップになります。
1)お客さんはどんな問題を持っているか
2)その市場がどのぐらい存在しているか
3)自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?
まず第一は「問題」を発見することですが、これを言い換えれば
「不満」
<不>の文字がどこに存在しているかを見つけることです。
(まさに「リクルート社」の社是そのものです)
言い換えれば「満たされていないギャップ」を発見し、そこを埋めることで差分を取るのです。
そして、一人ひとりのお客さんを集約した概念が「市場」です。
マーケットボリュームがどれぐらいあるのかを見極めることが
できれば、そこに時間やコストを突っ込んでいいのかがわかります。
そして、ありきたりではない、自分オリジナルのソルーションが提示できえば、競争力を持って戦うことができます。
ーーーー
上記に関連しますが先日、自動車修理で儲かっている社長さんとお話しする機会がありました。同社が専門にしてるのは
「雹(ひょう)でへこんだ車の修理」
なのだそうです。
「雹なんてそんなに降るんですか?」
「ちゃんと商売になるんですか?」
と興味津々だったのですが、日本には毎年数回かなり大きな雹が降るのとのこと。で、お客さんの自動車を預かっているディーラーやら中古車ショップは、雹が降るともう大変です。
一斉に手持ちの自動車のボディが細かく凹むわけですから、
「雹害車」
を直さないと商売になりません。
さらに雹は同一地域に一斉に降るので、その地域での被害車は一気に数万から数十万台にもなるそうで、修理工場も追いつかないのだそうです。
その上、変に修理をすると、「事故車」になって下取り価格が下落してしまいます。
ここまでの段階で、
1)お客さんはどんな問題を持っているか
2)その市場が存在しているか
は完全に満たしているのですが、問題はステップ3の
「自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?」
です。
彼の場合は、若かりし頃にアメリカの雑誌を見ていてデントリペアという、特殊な修理方法の日本でのフランチャイズ権を取得したそうで、それを使うと通常板金屋の半分以下の工期で修理できるとのこと。
(しかも事故車扱いにならない!)
▼彼の会社ではないですがデントリペアの参考
デントリペアとは|デントリペア専門店 Y's FACTORY [東京都町田市]
そして、自動車保険で雹被害は補償されるのだそうで修理代が回収できないということもほとんどありません。
▼[雹(ひょう)が降ってきて傷がついた時](ソニー損保)
「おおー、すごい」
と唸ってしまいます。
ちなみに、海外から進んだものを取り入れてビジネスするのを
「タイムマシン経営」
「クロスボーダー型アービトラージ」
と呼んだりしますが、まさにそのど真ん中のビジネスモデルです。でも、こういうことを考える人はたくさんいたはず。
で、勝負を決めるのは実際にアイデアをベースに実際に相手のコンタクトをとる「行動力」という結論になります。
当たり前と言えば当たり前!
また当初は自分しかできない解決法を提供することで「ブルーオーシャン」を謳歌できたビジネスでも、時間が経つにつれてライバルが増え、血の海に染まっていきます。
したがってビジネスモデルに常に改良を加えたり、イノベーションを起こす必要があります。
そして、その先には、
4)OPT(Other People’s Time)を使う
5)OPM(Other People’s Money)を使う
があります。人生は有限なので、人を雇うこと(=OPT)でビジネスシステム
を作って拡大し、さらに銀行や市場からファイナンスを受けて(=OPM)、
レバレッジをかけるという話です。
この5ステップを確実に踏むことが大切なんですね。
最後におさらいです。
1)お客さんはどんな問題(不)を持っているか
2)その市場がどのぐらい存在しているか
3)自分にその問題を解決できるソルーションはあるか?
4)OPT(Other People’s Time)を使う
5)OPM(Other People’s Money)を使う